アミノ酸サプリメント『鋼の肝臓 KReTA』開発秘話。植物バイオ事業部担当者が語る"挑戦"のストーリー

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自動車業界は、EV(電気自動車)への移行を含む、100年に1度と言われる大きな変革期を迎えています。武蔵精密工業(以下、ムサシ)にとっては重要なチャンスであり、EV時代のキーデバイスサプライヤーを目指す事業展開に注力していますが、我々の挑戦はそれだけには留まりません。

Eモビリティ、インダストリー、エネルギーソリューション、ウエルビーイングといった4つの主要領域へ事業ドメインを拡大し、新規事業を通じた社会課題の解決に積極的に取り組んでいます。その取り組みの中で生まれたのがアミノ酸サプリメント『鋼の肝臓 KReTA(クレタ)』 です。

『鋼の肝臓 KReTA(クレタ)』は昨年9月にウエルビーイング領域の新規事業として始まった、植物バイオ事業部のリリース第一弾です。「アミノ酸の力で、会食の機会が多いビジネスパーソンをサポートする」をコンセプトに、奈良先端科学技術大学院大学及び豊橋技術科学大学との共同研究を経て開発されました。

商品企画から開発、販売戦略の施策推進に至るまでを幅広く担当したのは、植物バイオ事業部の岡田知之さん。事業部内ではその仕事ぶりが評価され「岡田のサプリ」と呼ばれる場面も。今回はそんな岡田さんに、開発のきっかけや商品に込めた想い、今後に向けての展望などを語ってもらいました。
岡田 知之(おかだ ともゆき)
2009年に新卒でムサシへ入社。生産管理部にて試作部品の生産計画・推進を行うグループで7年ほど経験を積み、社内のほぼすべてのカテゴリーの部品の生産推進に携わる。新機種立ち上げプロジェクトの推進経験を経て、経営企画室に配属。2020年には社内のインキュベーションプログラム「東三河 Innovator's Gate 2020」に挑戦するなど、新規事業開発に意欲的な姿勢を見せ続けてきた。2022年9月には新設された植物バイオ事業部へ配属。事業企画・事業開発推進の全般を担務している。※前回のインタビュー記事はこちら

ムサシのコミュニケーション文化に開発のヒント

──『鋼の肝臓 KReTA』がついに発売されました。こちらの商品、開発のきっかけは何だったのでしょうか?

ヘルスケアを扱おうとする身として、そもそも「自分たちの健康はどうなの?」と考え、足元に目を向けたことがきっかけでした。自動車部品を製造するムサシの工場内は、機械油(マシンオイル)の臭いのほか、温度や湿度、騒音など健康課題に結びつく要素が至るところにあると気づいたんです。

10年以上ムサシで働いてきた私にとっては当たり前の環境でしたが、植物バイオ事業部 部長の継国さんが社外から参画した時に指摘があり、初めて自社のことを客観視できました。そこで、ムサシ社内で働く人たちの健康、そこから発展する、社会の健康経営に結び付く課題は何だろうと考え始めたわけです。


──飲酒による課題に注目したのはなぜですか?

正直なところ偶然でした。熱中症対策に役立つスポーツドリンクや美容関連の商品企画など複数のプロジェクトを走らせる中で、たまたまムサシの社員は飲み会や会食の機会が多いのではと気づく瞬間がありました。
潜在的なニーズをさらに深掘りするために、ムサシの社員と行動をともにする時間を増やすうち、会食を思いっきり楽しみたいということと、翌日の仕事を頑張りたいと思うことが、トレードオフとなってしまっていることに気づいたんです。

また、企業にとっても、従業員の労働生産性低下が、従業員の医療費負担や欠勤などよりも大きな経済損失につながっているということを知り、ここの問題は大きな社会課題であると捉えました。


──どんなニーズに応えようと考えましたか?

お酒や飲み会に対するイメージはそれぞれだと思います。気の置けない仲間で集まって愚痴を言い合う場面を想像される方もいるかもしれません。しかし、ムサシ社内の文化は違うと個人的に思っています
どちらかと言えば、お互いの仕事ぶりや成果を称え合う場としてお酒の席があるように感じています。社長をはじめとした役員クラスの会食になると、社員やお客様との大切なコミュニケーションの場、共通のビジョンへ巻き込むための場として活用されている印象です。

お酒が好きだから飲むというよりも、人同士の関係性を深めるためのツールであり、目的を果たすためには体調が多少悪くても無理をしてしまう。そんなジレンマがあることがわかり、うまくサポートしたいと思いました。このコンセプトは、商品名にも反映されています。


──『鋼の肝臓 KReTA』、ネーミングの背景もぜひ教えてください。

「〇〇さんがくれたサプリ」の「くれた」が由来なんです。「あげた・くれた」のコミュニケーションは、たとえ小さなことでも誰かの助けになることで、感謝や恩のようなものが自然と巡ります。今回発売したサプリも、そんなビジネスシーンで役立てばという想いから名付けました。
社内でサンプルを配った時も、「岡田さんがくれたサプリ、すごく良かったよ!」と言ってもらえることが多かったんですよね。こうした体験を一人でも多くの方々に届けたいと思っています。

チャンスを掴むためのスピード勝負。言い渡された開発期間、わずか5ヶ月

──企画がまとまったあと、商品化は順調に進んだのでしょうか?

本テーマを企画として社長に提案するところが最初の入り口でした。
イノベーションに必要な3つの要素、「顧客の課題」「ソリューション」「マーケット」をしっかりと示しました。特に「顧客の課題」については自分自身がこれまで感じてきた課題でもあったため、より熱意を持って伝えることができたと思います。もちろんそれだけでなく、ムサシが取り組む意義として、社会課題の解決に直結することをアピールしつつ、納得いただける材料をできるだけ用意しました。


──手応えはどうでしたか?

良い反応をもらえました。ただ一番の決め手は体験談にあったようです。「自分でサンプルを試してみたら体感が違ったんです!これ無しはもう考えられません!」とお伝えしたら、大塚社長から「面白そうだな。さっそく今夜一緒に飲みにいくぞ」とお誘いをいただいて。これが2023年5月の話です。6月には経営会議で承認されて開発がスタートしました。


──『鋼の肝臓 KReTA』の発売が11月なので、開発期間は約5ヶ月だったわけですね。

2023年は、コロナ禍が落ち着いてから最初の年末年始を迎えます。新規事業を立ち上げるにあたってこのチャンスを逃すわけにはいきません。リリース目標を11月に設定して、スピード重視のスケジュールで開発をスタートさせました。


──開発期間としては、かなり短いですよね?

正直、かなり非現実的だったと思います。それでもこのチャンスは必ず活かしたかったので、多少のリスクを背負いながら開発を進めました。通常は一つひとつのステップを順序良く進めるところ、ほぼすべてを同時進行させたんです。
サプリメントの形状や内容量などをまとめた処方案を作り、OEMメーカーさんとやりとりをしつつ、販売チャネルの構築や広報・宣伝に関する施策も走らせる。どれも初めてのことばかりでしたので、毎日が戸惑いと緊張の連続でした。

さらに、ヘルスケア領域は薬機法をはじめ、さまざまな法律の理解も必要です。資格も取得し、さらにそれを実践として活かす場面も多くあります。法律は解釈によってグレーゾーンが発生するため、部長の継国さんと相談をしながら、リスク管理とスピード開発の両立を意識しました。

「1000億円事業」を目指し、さらなる挑戦は続く

──今回、植物バイオ事業部として初めての商品をリリースしました。改めて今のお気持ちを教えてもらえますか?

2022年9月に配属されてから今日まで走り続けてきましたが、新規事業という文脈では2019年頃から自分の中で関心は高まっていました。デザイン思考など、起業やスタートアップに関連する機会に積極的に参加し、社内のインキュベーションプログラム「東三河 Innovator's Gate 2020」にも挑戦しました。
今回、初めて自分が携わった商品が世の中に出るということで、1つの区切りになったと感じています。しかし、これはゴールではありません。商品が完成した今、ここからが本番だと気を引き締めて頑張って参ります!


──最後に、今後の展望をお願いします。

社長には「2030年に植物バイオ事業部を売上高1000億円の事業にします」と宣言しています。継国さんからも「今回のリリースを機にメディアが動き、競合他社が動き、社会が動くぞ!」と発破をかけてもらっています。
新規事業は情熱が何より大切だと考えています。加えて、そこには技術やロジックなどの土台があってこそ成り立つものだということもこの1年で非常に強く感じています。植物バイオ事業部にはそれらがすべて揃っています。

当社が掲げるムサシ100年ビジョン「Go Far Beyond!枠を壊し冒険へ出かけよう!」では、今の延長線上にはない新しい価値を創造すべく、社員一人ひとりが限界や常識の枠を超えた挑戦をしています。誰よりもこれを体現し、植物バイオ事業部を1000億円事業へと導く。展望の実現に向けて、今後もチャレンジを続けていきたいと思っています!


▼鋼の肝臓 KReTaについて、詳しくはこちら!
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