第12回 国際スマートグリッド展 社長プレス発表「カーボンニュートラルに向けたムサシの挑戦」

  1. TOP
  2. Musashi BLOG
  3. 第12回 国際スマートグリッド展 社長プレス発表「カーボンニュートラルに向けたムサシの挑戦」
2022年3月16日、第12回[国際]スマートグリッド展にて、武蔵精密工業株式会社 代表の大塚 浩史が「カーボンニュートラルに向けたムサシの挑戦」をテーマにプレス発表を行いました。来場客やメディアなど約60名の方にお集まりいただき、注目度の高いプレゼンテーションとなりました。本ブログでは発表内容の概略をレポートいたします。

ムサシ公式YouTubeでは当日の様子を動画でも公開しておりますので、ぜひご覧ください。
第12回[国際]スマートグリッド展は2022年3月16日(水)~18日(金)の3日間、東京ビッグサイトにおいて開催されました。

エネマネや蓄電池など次世代電力システムのIT技術や設備が出展。ムサシのブースでは、リチウムイオンキャパシタ(LIC)の特徴である高出力、長寿命、安全性を活用した社会課題のソリューションを展示、ご提案いたしました。

以下、社長プレス発表の内容を抜粋してお伝えします。

▼第12回[国際]スマートグリッド展

Our Vision & Purpose

Musashi 100th Year Vision Movie



この動画は創業100周年である2038年を目指した新しいビジョン、ムサシ100年ビジョンのコンセプトムービーです。いまの自動車業界や既存の枠組みが壊れていく中で、我々が自ら枠を壊して冒険に出かけようという想いが込められています。

外部環境

|加速するカーボンニュートラルへの要求
2050年までのカーボンニュートラル宣言はすでにGDPの90%を越えており、CO2排出量削減、カーボンニュートラルへの取り組みは企業の必須課題、社会との約束だと認識しています。

|新しい価値観
年々、国際社会から企業への要求が高まるESG、地球規模で解決すべき課題であるSDGsなど、外部環境が変化する中、我々が事業として取り組んできた経済的な価値に加えて、社会的価値が多く問われる時代になっています。

Our Purpose

我々は、新しい時代に向けた新しいパーパス&ビジョンをつくるにあたり、企業の存在意義、目的について長い時間をかけて議論してまいりました。

2021年4月に発表した当社のパーパスです。

「わたしたちは、テクノロジーへの"情熱"とイノベーションを生み出す"知恵"をあわせて、人と環境が"調和"した豊かな地球社会の実現に貢献します。」

ムサシがパーパスに込める意思をご説明いたします。

わたしたちは今までのように人々の便利や幸せだけを追求するのではなく、地球や自然、社会、人が共存する世界を目指します。どれだけ利益を生むかだけではなく、どのような社会価値を生んでいくかが重要です。

我々は創業から84年間、常にものづくりを進化させてきましたが、これからはその延長線上だけではなく、新しいイノベーションを起こすことを目指してまいります。

そして、事業の拡大だけではなく、よりサステナブルに成長していきたいと考えています。

ムサシカーボンニュートラル宣言

当社は昨年、2050年のカーボンニュートラル、そして当社の100周年である2038年までにScope1,2といわれるオペレーションでのカーボンニュートラル100%と目標を掲げ、発信しています。

関連リリース:https://www.musashi.co.jp/newsrelease/post_51.html

ソリューションのご提案

① リチウムイオンキャパシタ(LIC)

LICは、リチウムイオン電池の負極(炭素)と電気二重層キャパシタの正極(活性炭)を組み合わせた電池です。

高出入力、長寿命、熱暴走しない安全性、広温度特性、負荷変動応答性が高いなどの特徴があります。当社は世界で初めてLICの量産に成功した会社です。

LICはマテハンといわれるマテリアルハンドリング、搬送機・昇降機との相性が非常に良く、高い応答性と高入出力、高い出力密度をいかして重いものを運ぶことができます。ある事例では、60%の省スペース、10年の長寿命、そして50%の省エネと大変高い効果を生むことが実証されています。

② ハイブリッドリチウムイオンデバイス(HLID)

我々が目指すのは、アジアで多く使われるオートバイ向けの蓄電池です。高温地域は電池の劣化が早いという課題があります。そのために冷却システムを付けたりしますが、そうするとシステムコストが上がります。アジアで走るオートバイ向けに、高温でも劣化しない電池を目指しています。

LICとたくさん電力を貯められるリチウムイオン電池で、使用時には高出力を出せて、負荷変動性・応答性の高い電池を使うことによって、高温高サイクルで寿命を伸ばしています。これはアジアに非常に適正のあるソリューションだと考えています。

③ ファクトリーエネルギーマネジメントシステム(FEMS)

この仕組みは、再生可能エネルギーをいかに効率よく事業所や工場、大きな電力の必要な施設で使用するか。系統電源、太陽光パネル(PV)、そして貯めるデバイスである蓄電池、もしくはVtoXをDCバスで接続し、一番効率の良い状態でエネルギーを利用するシステムです。

当社では太陽光パネルで実証実験を行っています。最終的には工作機械やエレベーター、ポンプなど大きな負荷変動の発生する装置をオンサイト再生可能エネルギーで自立運転を可能にするソリューションです。

我々の工場を含め、再生可能エネルギーを取り入れたいというトレンドがあります。

コストがかかることはもちろん、太陽光や風力発電は出力変動が大きく効率よく活用するためには蓄電池が必要となります。再生可能エネルギー+蓄電池で、負荷変動の大きな工作機械やエレベーターを常時動かそうとすると、出力が不足し上手く使い切ることができないという課題があります。そこにLICを接続することによって、負荷が高いときにはLICから出力、低いときには再生可能エネルギーをそのまま、あるいは蓄電池から出力することで、再エネ利用率を82%まで向上させることが可能になります。

そして、FEMSを地域に拡大する取り組みを行っています。

先日、愛知県豊橋市と合意に至り、地域に対して我々のFEMSのソリューションを地域マイクログリッド、コミュニティグリッドでも活かしていただこうと取り組んでいます。

地域社会も同じく再生可能エネルギーを導入したい、そして災害時のレジリエンスを強化したいという課題があります。今まではそれぞれの地域がそれぞれの再生可能エネルギーを導入していましたが、先ほど申し上げた通り、再生可能エネルギーを使い切ることは大変難しく、実際にはあまり活用できていません。

そして一番重要なのはやはり、大地震などの災害時にエネルギーをきちんと供給するシステムとして活用できるもの。平時は我々の工場で使用し、災害時に系統電力が途絶えてしまった場合は工場の稼働を止め、我々の工場で生み出す太陽光発電を避難所や病院に電力供給する。地域社会に貢献しレジリエンスの強いまちづくりをするとともに、環境にもやさしいという取り組みを始めています。

④ 燃料電池(FC)

燃料電池とLICは大変相性が良いと考えています。

大きなエネルギーを発電できる燃料電池、水素は非常に将来のあるテクノロジーです。ただし、発電は得意でも、急峻な負荷変動への対応はあまり得意ではありません。

そこにLICを組み合わせることによって、燃料電池の高効率発電と劣化の抑制を両立させ、入出力するときのパフォーマンスを最適化するソリューションをさまざまな用途で開発中です。最終的には、定置型といわれる水素燃料、蓄電デバイス、あるいは移動体といわれるモビリティやトラックにも活用していきたいと考えています。

山梨スマートファクトリー

最後に、ムサシは山梨県に次世代型の新しい工場建設を予定していることを発表いたしました。

武蔵エナジーソリューションズのある北杜市に近い南アルプス市に土地を購入し、LICを中心とする新しいエネルギーデバイスの大量生産型の工場を建設します。

関連リリース:https://www.musashi.co.jp/newsrelease/post_61


武蔵エナジーソリューションズは、カーボンニュートラル社会の実現に向けLICの特徴を活用した社会課題のソリューションをご提案いたします。
ご興味のある方は下記URLよりお問い合わせください。

メールフォーム: https://www.musashi-es.co.jp/mailform.html
資料ダウンロード: https://www.musashi-es.co.jp/download.html

武蔵エナジーソリューションズHP: https://www.musashi-es.co.jp/

BLOG おすすめ記事