レースレポート
鈴鹿300km耐久ロードレース
- ■開催日
- 2009年6月13日(土)〜14日(日)
- ■開催サーキット
- 鈴鹿サーキット
- ■天候
- 決勝 晴れ 気温:29度 路面状況:ドライ
- ■出場クラス
- ---
- ■ライダー
- 山口辰也・小西良輝
- ■予選結果
- 2位
- ■決勝結果
- 2位
レース結果
二輪イベントでは国内最大規模の観客動員数を誇る鈴鹿8時間耐久ロードレース。
国内のロードレースは、この8耐を中心に回っているといっても過言ではないほど
大きな位置付けのレースとなっている。
もちろん、全日本JSB1000クラスを戦うMUSASHI RT ハルク・プロにとっても重要度の高いレースだ。
燃費などの兼ね合いから、7時間の間に7回のピットインをしながらレースを戦う鈴鹿8耐。
その前哨戦として位置付けられているのが、今回開催された300kmレースで、
これは52周を一人か二人のライダーで走るというもの。
8耐でのピットインは大体25周から28周の間で、今回の300kmレースを1回のピットインで走りきるには、
ちょうど25周前後を1回の走行としてこれを2回行うことになる。
まさにこれは8耐序盤の走行と同じになることから、8耐前哨戦として位置付けられているわけだ。
MUSASHI RT ハルク・プロはこのレースに、JSB1000クラスのレギュラーライダーである山口辰也に、
ベテラン小西良輝をペアリングし、参戦することとなった。
全日本第3戦で優勝し、絶好調の山口が今回のレースウイークでも中心となってマシンをセットアップ。
小西は1年ぶりにライディングするJSB1000マシンに慣れることがメインテーマとされ、
走行セッションは山口が主に担当した。金曜日の公式練習も順調にこなし、
土曜の予選は1回目に2分8秒016を山口がマークして2番手に付ける。
続く2回目の予選も山口が主に走行し、2分7秒776を刻み2番手。
この結果、ルマン式で行われる決勝は2番グリッドからスタートすることとなった。
決勝日朝のウォームアップ走行でも山口は安定してラップし、トップタイムをマーク。
決勝への期待が高まった。いよいよレースがスタート。
うまいスタートを見せた山口はトップで1コーナーに飛び込む。
マシンの状況を見ようと慎重に走る山口は1周目を3位で戻ってくるがすぐに2位に上がると、
トップを走る秋吉耕佑選手の背後にピタリと付ける。
二人のペースは3位以下を圧倒的に上回り、4周目時点で2位山口と3位の差は3秒5まで広がり、
さらに周回を重ねるごとにその差は広がっていく。秋吉選手と山口の一騎打ちとなってきた。
しかしこの状況でも山口は無理をせず、2位をキープ。
周回遅れが出てきて山口は前をふさがれ、秋吉選手との差が1秒1ほど離れてしまうタイミングもあったが、
すぐにペースを上げて挽回する冷静さを見せる。全日本を戦うスプリント仕様から
マシンのバランスを崩すことなく耐久仕様へマシン作りをするのが、
燃費が重要となる耐久マシンを作るために重要になるのだが、
まだ1回のテストとこのレースウイークのセッションだけでは十分なデータは取れていない。
そうしたこともあって予定ピットインのタイミングよりも早くガス欠が近いことを知らせるランプが点灯したことから、
山口は25周したところでピットロードに入ってきた。
チームはこの状況に冷静に準備していたため、すぐにタイヤ交換、ガソリン給油を行い、
小西をコースに送り出す。コースインして1周目にどれくらいペースを上げられるかが
耐久を有利に戦う上でライダーに求められる重要なテクニックの一つであるのだが、
ここで小西は2分55秒という速さでオープニングラップを走った。
この時点でトップに立った小西だが、マシンへの順応を図るという重要なテーマを持ってレースに臨んでいるため、
1周のラップタイムの速さではなく、どれくらい高いアベレージタイムを維持できるかに集中。
30周目に2位となり、その位置をキープする。しかしラスト5周となった終盤、
再びガス欠を知らせるランプが点滅。小西はピット前を通過する際、
ピットに向かって状況を知らせるための合図を送る。
3位との差は40秒ほどあるが、1回ピットインすればその差はなくなる。
走りながら考えた小西はピットインせずに燃費走行してゴールを目指すことを決断。
ペースはそれまでの2分11秒から12秒台だったのを、18秒台、19秒台と落としてゴールを目指す。
結局、チームの計算どおりガス欠になることなく2位でゴール。
ハプニングは起きたが8耐に向けて、まずまずの前哨戦となった。
チームメンバーのコメント
本田重樹監督
我々は昨年のこの鈴鹿300kmレースで、マシントラブルによってリタイヤという結果でした。 8耐での勝利を目指すうえで、この300kmレースはシミュレーションとして非常に重要であり、 よいシミュレーションができるようしっかりと準備をして今回のレースに臨みました。 2位というリザルトを得て、レースアベレージなど、総体的にはよいレースができましたが、 コンディションが変わった状況の中で想定外のマイナートラブルが出てしまって 思うようなレースができなかったりと、残念な部分もありました。 ですがこのタイミングで課題を見つけることができたのは、大きな収穫です。 この悔しさを、8耐の決勝へぶつけたいと思います。ライダーの山口、小西の二人もよくがんばってくれましたし、 スタッフもいい働きをしてくれました。8耐は必ずいいレースをお見せしますので応援、よろしくお願いいたします。
小西良輝選手
ラスト5周は本当に長くつらい時間でした。 課題も見えましたし、自分なりに自信になったこともあります。 これから行われるテストをしっかりとこなし、いい準備をして8耐に臨みたいと思います。 今回もたくさんの応援を頂き、ありがとうございました。 8耐はもっと頑張りますので応援、よろしくお願いします。
山口辰也選手
2&4ではスタートでミスし、秋吉選手と一緒に走れませんでしたが、 今日は自分の担当パートでは互角の走りができたのでよかったです。 前に出るチャンスもあったのですが、無理して転倒してしまうと小西さんが 走れなくなったりと迷惑を掛けてしまうので、高いアベレージで走ることだけ考えました。 課題もありましたが、8耐へ向けていい前哨戦だったと思います。 もちろん負けて悔しいですが、この借りは本番で返します。応援、よろしくお願いします。

鈴鹿300km

山口辰也選手

小西良輝選手

表彰台の山口選手と小西選手