レースレポート
全日本ロードレース選手権 第7戦 in 鈴鹿
- ■開催日
- 2009年10月31日(土)〜11月1日(日)
- ■開催サーキット
- 鈴鹿サーキット
- ■天候
- 決勝 曇り/雨 気温:19.7度
- ■出場クラス
- ST600/JSB1000
- ■ライダー
- 小西良輝・小林龍太/山口辰也
- ■予選結果
- 小西良輝 2位・小林龍太 9位/山口辰也 Race1:6位、Race2:5位
- ■決勝結果
- 小西良輝 リタイア・小林龍太 5位/山口辰也 Race1:4位、Race2:3位
レース結果
いよいよ今シーズンも残り1戦となった。 最終戦はMFJ-GPとして行われることから、出場権はシリーズポイント獲得者のみに与えられ、 獲得ポイントは通常にプラス3となる。さらにJSB1000クラスは2レースが行われることから、 2レース優勝すると52点獲得することが出来る。 また今回の鈴鹿のレースは通常の5.8kmのフルコースではなく、 2.2kmという短い東コースでの開催となる。 この東コースでの全日本開催は初ということで、 1週間前に三日間行われる事前テストが非常に大きな意味を持つこととなった。 今回もMUSASHI RT ハルク・プロは、ST600クラスに小西良輝と小林龍太、JSB1000クラスに山口辰也という布陣で参戦した。
ST600クラス
最終戦を迎えるにあたり、小西はランキングトップに19.6点差で2位、
小林は28.3差でランキング3位と、それぞれのポジションを上げるべく、第7戦の戦いに臨んだ。
1週間前のテストでは小西、小林ともに好調で、その勢いのままレースウイーク入りすることとなった。
金曜日のART合同テストでは小西が総合4番手、一方の小林は13番手とややスロースタート気味。
翌土曜日の予選は35分間で行われ、小林は積極的に周回を重ねて53秒429で9番手となった。
一方の小西は53秒094と52秒台まであと一歩と迫っての2番手を獲得した。
レースがスタート。小西はうまいスタートを見せ、2番手に付けて序盤を展開する。
一方の小林もまずまずのスタートで9位に付ける。テールtoノーズでトップを追う小西だったが、
その積極的な走りが裏目に出てしまい、3周目の最終コーナー立ち上がりで転倒。
マシン、ライダーともにコース上に残ってしまったことから赤旗が出て、
レースは仕切り直しされることとなった。
小指を骨折してしまった小西はそのままリタイヤ。小林がチームの期待を背負って戦うこととなった。
再スタートされ、小林は1周目を7位でクリア。
トップと遜色のないペースでラップする小林は7周目に4位までポジションアップ。
さらに表彰台を目指して走るがここからさらにペースを上げることは出来ず、1台にパスされ5位でチェッカーとなった。
JSB1000クラス
1週間前のテスト初日に走り出してすぐ激しく転倒し、さらにスペアマシンで走り出した直後に転倒。
マシンをすべて壊してしまい、山口自身も激しい打撲から走れるような状態ではないことから、
早々にJSB1000クラスのテストは切り上げざるを得なくなった。
このため、レースウイークが実質的な東コース攻略のためのスタートとなった。
今回も予選はノックダウン方式が採用され、Q1の順位が第1レースのスタート位置となり、
第2レースのスタート位置はQ3の結果で決められることとなった。
そのため、すべてのセッションで高いレベルのタイムを刻んでおく必要がある。
事前テストがほとんど出来ないことにより、ライバルに対してデータ不足は大きなビハインドではあったが、
チームの持てるノウハウをフルに発揮。その結果、Q1ではトップから0.48秒差の6番手、
Q3はトップから0.496差の5番手となり、2レースとも2列目からのスタートとなった。
日曜日の午前中に行われた第1レースはドライコンディション。
山口は6番手の位置でオープニングラップをクリアし、上位陣と同じペースで周回。
前に出るチャンスをうかがうが、左右に続くコースレイアウトでパッシングポイントを見つけ出すのは至難の業で、
なかなか抜くことが出来ない。しかし8周目に5位に上がり、一度抜き返されて6位に落ちたが再び抜き返し、
4位まで上がったところでチェッカーとなった。
第2レースはこのウイーク初のウエットレースとなってしまった。
しかもウォームアップランでオイルをコース上に出してしまったマシンがいたことからレースはディレイ。
コンディションが変わった上にコンセントレーションが途切れがちという、
ライダーにとって厳しい状況となってしまった。
しかし山口はしっかりと集中力を維持し、第2レースもまずまずのスタートを切ってトップグループに加わっていき、
1周目を5位でクリアする。そうして迎えた16周目、4位を走るマシンが転倒し、
3位のマシンに接触してしまうアクシデントが起きてしまう。これをうまく避けた山口は3位に順位を上げる。
さらに上を目指したが差は詰まらず、そのまま3位でゴールとなった。
チームメンバーのコメント
本田重樹監督
ST600クラスの小西はチャンピオン獲得のためには絶対に勝たないといけないという状況をしっかり理解し、
そのために序盤から積極的に攻め込みました。
その結果として転倒リタイヤとなってしまいましたが、タイトルへの執念、
そしてそれを実現するためにおかれた状況の中で見せた最大限の努力はチームとして高く評価したいと思います。
小林もランキングを一つでも上げるべく最大の努力をしたのですが、
事前テストのときのよいフィーリングをレースウイークでさらに伸ばすことが出来ず、
厳しい戦いとなってしまいました。このあたりは来年の課題として、さらにチームとしても努力を続けたいと思います。
JSB1000クラスの山口辰也は事前テストで不本意な転倒を繰り返してしまい、
東コースでのデータがほとんどない状態でレースウイーク入りせざるを得ない状況でした。
そんな中、山口自身もさまざまなアプローチを行い、チームサイドもそれに応えるべく努力を重ねましたが、
優勝を狙うレベルには少し到達できませんでした。
シリーズランキング2位という結果に終わり、少し残念ではありますが、
精一杯の努力をした結果ですのでこれを受け入れたいと思います。
今年は武蔵精密工業という新しいスポンサーを得て臨んだシーズンで、
スタッフの皆さんにシリーズタイトルという大きなプレゼントをしたいと思っていましたが一歩届きませんでした。
来年はさらに努力し、スポンサーの皆さん、ファンの皆さんに大きなプレゼントをしたいと思います。
今年1年、たくさんの応援をありがとうございました。来年も頑張りますので引き続き応援、宜しくお願いいたします。
小西良輝選手
シーズン中に転倒があり、タイトル獲得は正直あきらめかけていましたが、 最終戦までタイトル獲得の望みをつないでくることが出来たのは、皆さんの強力なサポートのおかげだと思いました。 ぜひ皆さんの応援に応えられるよう、優勝してチャンピオン獲得へつなげようと頑張ったのですが、 力を入れすぎたようで転倒、リタイヤという結果に終わってしまいました。 皆さんの期待に応えられず、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。 今シーズンもたくさんの応援をいただき、ありがとうございました。
小林龍太選手
事前テストはいいフィーリングで走ることが出来たので、 レースウイーク入りがとても楽しみだったのですが、 実際にウイークに入って走り始めたら自分のリズムで走ることが出来ず、 悩んでしまうことになってしまいました。 その悩みを最後まで解決できずに決勝になってしまったので、不完全燃焼のレースとなってしまいました。 このあたりが自分の課題だと思うので、さらにトレーニングを重ね、 来年はチャンピオン獲得できるよう頑張ります。今年1年、たくさんの応援をありがとうございました。
山口辰也選手
事前テストでまったく訳が分からないうちに2回も転倒してバイクを激しく壊してしまい、 自分の体も痛めてしまってテストが出来なかったことがすべての原因だと思います。 チームのスタッフが頑張ってくれて、レースウイークの短い時間の間にマシンをしっかり仕上げてくれたのですが、 そのパフォーマンスを十分に引き出すことが出来ず、申し訳ない気持ちでいっぱいです。 テストでの転倒のため、腰がかなり痛く、決勝中は感覚があまりないような状況だったのですが、 これもすべて自分の責任で、本当に申し訳なく思っています。 たくさんの応援をいただき、期待に応えたかったのですが申し訳ありませんでした。

小西良輝選手

小林龍太選手

山口辰也選手