MUSASHI RT HARC-PRO

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レースレポート

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全日本ロードレース選手権 第7戦 in オートポリス

開催日
2012年9月8日(土)〜9日(日)
開催サーキット
オートポリス
天候
決勝 晴れ-路面状況:ドライ
出場クラス
JSB1000/J-GP2/J-GP3
ライダー
清成龍一/浦本修充/徳留真紀
予選結果
清成龍一:3位/浦本修充:2位/徳留真紀:2位
決勝結果
清成龍一:2位/浦本修充:リタイヤ/徳留真紀:1位

レース結果

 今年2回目の開催となる九州・オートポリスでの全日本選手権。今回は、第3戦をこの地で行ったST600クラス以外の3クラスが開催された。多くのチームにとってこの大分県・オートポリスは遠隔地であることから事前テストは行われず、その代わりにレースウイークを水曜日からスタート。水・木とテストを行い、金曜日からの通常のセッションに入るスケジューリングとされた。今回の大会にMuSASHi RT ハルク・プロはJSB1000クラスに高橋巧、J-GP2クラスに浦本修充、J-GP3クラスに徳留真紀とレギュラーライダーで参戦する予定だったが、水曜日のテストで高橋巧が転倒。負傷してしまったことから、同時併催となるアジア選手権SS600クラスに参戦するためオートポリスに来ていた清成龍一を急遽、代役ライダーに抜擢。当初の予定通り3クラスに参戦することとなった。

JSB1000

 全日本でチームが使用しているマシンは7月末の鈴鹿8耐で清成が乗ったマシンとほぼ同じ仕様のため、1ヶ月ほどのブランクを感じさせず、乗り始めからトップレベルのタイムをマークする清成。彼自身が代役ライダーということをよく理解しているため、マシンのセッティングなどは大きく振らず、巧仕様のマシンバランスを崩さないように配慮しながらもトップレベルのタイムをマークしてくるのはさすがの一言。このレースウイークは雨が予想されており、天気が心配だった。土曜の午後にノックアウト方式で行われる予選もコンディションが心配されたが結果的には最後までドライで行うことができた。清成はQ1を6番手、Q2を3番手、Q3も3番手で走行し、この結果、フロントロー3番手からのスタートとなった。
 心配された天気も雨が降らず、決勝はドライで行われた。まずまずのスタートで飛び出した清成は1周目を3番手でクリア。直前に行われたアジア選手権SS600クラスの決勝で乗った600からの乗り換えを確認するように序盤は慎重にラップを重ねる清成。リズムが取り戻せた5周目に自身のこのレースでの自己ベストをマークし、前2台との差を詰める。さらに前に出たいところだったが、なかなかそのチャンスは巡ってこない。それでも諦めずにプッシュを続ける清成。ラストラップに前を走る1台がコースアウトし2位にポジションアップ。何とか前に出ようとする清成だったが届かず、1秒差の2位でフィニッシュとなった。

J-GP2

 やっと本来の速さを取り戻しつつある浦本修充。ライディングの改革を行う浦本は今回のレースウイークでもそれにチャレンジ。やっと走りとタイムが合い始めてきており、マシンのセッティングも本来のあるべきところに収まるようになってきた。それを証明するように、予選はトップとコンマ2秒差の2番手グリッドを獲得。コースレコードも破ることができた。午後4時からの予選で黒い雲が空を覆い、途中で雨がぱらぱらと落ちてくる難しいコンディションとなったのだが、それでも自信を持ってチャレンジした走りは若さあふれるもので、決勝へ向けた大いなる期待を持たせるものだった。
 決勝日は最後のレースということで、スタートは午後4時25分。このウイークは午後の時間が遅くなればなるほど雲が多くなるというコンディションで、この日も前日同様、黒く厚い雲が空を覆ってくる中で決勝はスタートされた。浦本はスタートで大きく出遅れてしまい、オープニングラップは7番手でメインスタンド前に戻ってくる。しかし落ち着いて走る浦本は徐々に順位を上げ、2周目6位、3周目5位、5周目に3位となり、タイムも1分53秒4とトップグループを上回るペースで、追い付くのは時間の問題と思われたが、11周目にマシントラブルが発生してしまいピットイン。そのままリタイヤとなってしまった、

J-GP3

 3ポイント差でランキング2位に付ける徳留真紀。九州は徳留にとって生まれた地であり、ランキング争いでも、そして応援がたくさん駆けつけるということで、非常に大事なレースとなる。水曜日から順調にマシンを仕上げる徳留とチーム。予選はフロントロー2番手を獲得し、決勝に向かって大きな期待を抱かせることとなった。
 スタートはやや出遅れ、1周目は5番手。落ち着いて状況を見る徳留は4周目に3番手に上がり、6周目には2位となる。途中、ポールポジションの山田誓己選手が抜け出そうとしたが、直後にコースアウト。これでトップ争いは3台に絞られた。迎えたラストラップ。トップでラスト1周前の最終コーナーを立ち上がった徳留だが1コーナーで抜かれてしまう。それでも第2ヘアピンで抜き返し、再びトップに立ったがさらにその後の登り区間で抜かれてしまい2位に落ちる。抜きどころを探りながら最終コーナーまで2番手で来た徳留は、ここで諦めず立ち上がりで早めにアクセルをワイドオープン。トップが立ち上がりでわずかにミスをし加速が鈍る中、最高の加速を見せた徳留とハルク・プロチューンのNSF250F。0.041秒差で徳留がトップでチェッカー。嬉しい今季1勝目となった。

チームメンバーのコメント

本田重樹監督

 J-GP3の徳留真紀は勝てそうで勝てないレースが今年は続いていましたが、やっと勝つことができました。しかもそれが、彼の地元九州のコースということはすごくよかったと思います。彼にとっても我々にとっても、多くの人に喜んでもらえて本当に嬉しいレースとなりました。これでチャンピオンシップでもランキングトップで残り2レースを迎えることとなります。我々も全力で彼をサポートしていきたいと思います。
 JSB1000は高橋巧が水曜日のテスト走行で転倒し、負傷してしまったことからレースに出られなくなってしまいました。Musashi RTハルク・プロとしては全日本のファンを失望させなくないですし、JSBのレースを楽しく見てもらえるよう、代役ライダーとして清成龍一を起用しました。アジア選手権のSS600クラスと2車乗りということで非常に難しかったと思いますがよく頑張ってくれて、我々が想像していた以上のリザルトを残してくれました。彼自身、久々に1000ccのバイクでのレースで、決勝後、ヘルメットを脱いだ表情がとても清々しいものだったのでよかったと思います。高橋巧のケガがどの程度のモノなのか現時点ではまだはっきり分かりませんが、早く復帰できるように我々としても全力でサポートしていきたいと考えています。
 J-GP2クラスの浦本修充は結果から言うと残念なマシントラブルでレースをリタイヤせざるを得ませんでした。チームとして非常に残念です。今後は会社に戻り、原因を究明したいと思います。浦本自身の調子もどんどん上がってきており、今回のレースもポジションを上げてこれからというところでトラブルが出てしまったので彼自身、とても残念だと思います。我々も彼に対して申し訳ない気持ちでいっぱいです。モータースポーツは機械を使う競技ですからどうしてもトラブルは付きものなのですが、それがないようにしていくのが我々の仕事ですから、今後は二度とそうしたことが起きないよう、まずは徹底的に原因を解明し、次のレースへ向けて準備したいと思います。
 今回も九州武蔵精密始め、たくさんの方に応援いただきました。ありがとうございました。

清成龍一選手

 最初に本田監督から高橋巧選手のマシンに乗ってほしいと言われたとき、自分自身も1000ccのバイクに乗っていないから乗りたかったし、チームの士気が上がればと考え、乗ることにしました。巧選手とは8耐を2回、一緒に戦っていますし、彼のバイクなら安心して乗れると思ったので代役ライダーとして出ることを決めましたが、彼以外のマシンなら出なかったと思います。どんなレースでも出るからには100%の走りができるようにチャレンジしますし、トップ争いに加われるのは楽しいです。JSB1000の決勝では前に出ることはできませんでしたが、それでも最後までトップ争いに加われたので、とても楽しいレースとなりました。こういう機会をいただいたチーム、スポンサーの皆さんに感謝したいです。ありがとうございました。

浦本修充選手

 今年になってずっとライディングの改造をしていて、前回のSUGOでもそれにトライしていたのですが、やっと今回のレースウイークになって、それが形になってきたという実感がありました。まだまだ理想のレベルまでには至っていませんが、気持ちよく乗れるようになったし、楽しさも出てきたので、流れとしては非常によかったです。予選は2番手で自分としてはポールポジションを狙っていたのでその部分は悔しいですが、コースレコードもマークできたし、決勝で勝てればいいとそこに集中しました。スタートはミスして出遅れたのですが、冷静に回りを見ることができて、タイムも安定して上げることに集中して走ってそれができていてポジションも上がっていたので手応えはありました。マシントラブルは残念ですがこれは誰も責めることのできないものなので気持ちを切り替え、残り2レース、独走で勝てるように集中したいと思います。

徳留真紀選手

 水曜日の走行からタイムはまずまず出ていたのですが、ずば抜けていいものではなかったし、予選もフロンロー2番手でしたが一発タイムでアベレージもよいわけではなかったので手応えを感じるような状況ではなかったのですが、このコースは好きなレイアウトですし地元九州ということで応援もたくさん来てくれて、そこで勝つことができて本当に嬉しいです。レースはラスト4周でスパートしてみて、追い付いてきたらまたそこで考えればいいと思っていて、そういう展開になりました。最終ラップは1コーナーで抜かれてしまいましたが、第2ヘアピンで前に出ることができました。ですがそのあとにまた前に出られてしまい。厳しい展開になってしまいました。それでも最終コーナーでプッシュして、早めにアクセルを開けたら前を走るライダーがミスをしてこちらの加速が上回り、チェッカー直前に前の景色が開いてトップで走り抜けた瞬間は最高でした。最後までレースを諦めないでプッシュしたことが結果につながり、ウイニングランでは嬉しくて涙なのか汗なのか鼻水なのか、ヘルメットの中はそんな状況でした。気を引き締めて残り2戦、しっかりと戦いたいと思います。

今期2回目のオートポリス

清成龍一選手が代役参戦

浦本修充選手

徳留真紀選手

徳留選手が今期初勝利