MUSASHI RT HARC-PRO

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レースレポート

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全日本ロードレース選手権 第6戦 in SUGO

開催日
2012年8月25日(土)〜26日(日)
開催サーキット
スポーツランドSUGO
天候
決勝 晴れ-路面状況:ドライ
出場クラス
JSB1000/J-GP2/ST600/J-GP3
ライダー
高橋巧/小林龍太/浦本修充/徳留真紀
予選結果
高橋巧:4位/小林龍太:10位/浦本修充:3位/徳留真紀:4位
決勝結果
高橋巧:17位/小林龍太:リタイヤ/浦本修充:2位/徳留真紀:6位

レース結果

 全日本もいよいよ残り4レース。今回の開催地である宮城県スポーツランドSUGOは全長3.7kmで山間に作られていることから上り下りが多く、コーナー自体は直角に開いており奥が回り込むようなコーナーは少ない。国内のサーキットでも特徴のあるコースと言える。8月第2週にチームはこのサーキットでホンダが主催したテストに参加。マシンのセットアップを行った。今回の大会にMuSASHi RT ハルク・プロはJSB1000クラスに高橋巧、J-GP2クラスに浦本修充、ST600クラスに小林龍太、J-GP3クラスに徳留真紀とレギュラーライダー全員が参戦することとなった。

JSB1000

 8耐から約1ヶ月。またここから後半戦の戦いがスタートするJSB1000クラス。テストでは非常にフィーリングの良かった高橋巧だったが、レースウイークはテスト時のコンディションと変わり、マシンのいい感触が出ない。
 今回の予選もノックダウン方式だが、それでも最後のセッションまでセットアップに時間を使ってマシンの仕上げをする高橋とチーム。そうして得たグリッドは2列目4番手だった。トップとの差は1秒0と少し厳しいものだったが、マシンが仕上がれば詰められる手応えはチームとして持っていた。その差を詰めるべく、決勝朝のフリー走行でもセッティングを詰め、3番手でこのセッションを終えた。
 レースがスタート。まずまずのスタートを切り、序盤は5位を走行。1分28秒真ん中くらいでトップグループが周回するのに対し、高橋は28秒後半から29秒台とやや厳しい。しかし9周目あたりから再び28秒台へ入れてプッシュ。前との差が再び詰まってきた。その直後、12周目のS字でマシントラブルが発生し緊急ピットイン。マシンを修復したが、既にトップグループからは大きく離されてしまった。それでも1ポイントでも獲得するために高橋は再度、プッシュ。周遅れを交わしながら29秒台ラップをし17位でチェッカー。4点を獲得した。

ST600

 現状でチームが持っているパッケージングの秘めるパフォーマンスでは苦戦を強いられてしまっているこのクラス。今回はそんな状況を打開すべく、テストでは様々な項目を消化し、結果を出すためにライダー、チームは総力を挙げて取り組んでいた。本来であればタイムというわかりやすい目安を出して状態を確認しておきたいところだが、決勝を見据え、それに合わせ込んだパッケージングで金曜日の合同テスト、予選と臨むこととした。結果的には1分32秒556のタイムで10番手だったが、決勝に向けたパッケージングとしては悪くない結果と言えた。
 レースがスタート。まずまずのスタートを切り、1周目を7位でクリア。2周目にはこのレースでのファステストラップとなる2分32秒276と予選を上回るタイムを出して前を追いかけ、3周目には5位に上がる。さらに上をねらいところだったが、8周目に6位に落ち、もう一度ポジションを上げようとした10周目に転倒。リタイヤとなってしまった。

J-GP2

 第3戦筑波、第5戦もてぎといずれも転倒を喫し、思うようなレースができていない浦本。テストもその流れから脱することができず、厳しい状態のままレースウイーク入りすることになった。何とか解決の糸口を見つけようと模索する浦本とチームだが、なかなか出口が見えない。そうした状態でも予選は1分31秒493のタイムでフロントロー3番手に付けることができた。
 スタート直後の焦りからミスをしてしまっていた反省があり、冷静に序盤を展開しようと心がけた浦本。1周目は5番手でメインスタンド前を通過。3周目には7位までポジションを落としてしまうが、そこから1台ずつ前車をパスし、6周目5位、7周目4位、8周目3位と順位を上げ、11周目にはトップに立つ。しかし12周目に2位になり、もう一度トップに立とうとアタックしたが終盤になって徐々に差が広がってしまい、そのまま2位でチェッカーとなった。

J-GP3

 新たなパーツを事前テストで導入。さらにチームはそのパーツを会社に持ち帰って熟成を図り、このレースウイークに持ち込んできた。金曜日のART合同テスト1本目でさらにテストしたが、今ひとつフィーリングが良くなかったことから導入を断念。他の部分で熟成を図ってきた状態で、レースへ向けたセットアップを進めることとした。予選では1分35秒450と、J−GP3クラスになってからのコースレコードをブレーク。決勝は2列目4番手からのスタートとなった。
 決勝はまずまずの飛び出しを見せ、1周目は6位で通過していく。いつもであれば周を重ねるごとにタイムを上げ、それに比例してポジションを上げていくのだが、今回はなかなかその形に持ち込めない。タイムも3周目、4周目と1分35秒台に入ったが、それ以降は36秒台。上位が35秒から34秒に入れているため、これではその差を詰めることは難しい。そのまま6位でチェッカーとなった。

チームメンバーのコメント

本田重樹監督

 J-GP3の徳留真紀はテストで投入したパッケージングの評価が芳しくなく、結果的に前回のもてぎのパッケージングに戻してトライしました。フィーリング的には悪くなく、トップグループに近いタイムを出すことはできましたが、今回は若手選手たちが非常にいいパフォーマンスを発揮しており、それに対して我々は付いていくことができませんでした。今回の結果を真摯に受け止め、新たなパッケージングを造り上げてそれでトライできるよう頑張ります。そんな厳しい中でも上位でゴールできたのは評価できる点で、ランキング上でもまだまだ上位にいるので次に期待したいと思います。
 ST600の小林龍太は、現状で我々の持っているハードで構成するパッケージングでの戦いとしては非常に頑張っていると思います。決勝ではスタートから飛ばしに飛ばし、レース中のファステストラップをマークしたのはそれを端的に証明していると思います。残念ながらレース途中から、序盤からの頑張りのツケが来てしまってペースが上がらず、結果的に転倒してしまいましたが、攻めていっての転倒ですからライダーを責めることはできません。それくらい攻める気持ちをライダーが持ち続けていることで、次戦に大きな期待が持てます。
 J-GP2クラスの浦本修充はここ2レースほど転倒が続き、かなりナーバスになっていました。彼の持っているポテンシャルを何とかうまく引き出そうと金曜日の走行からタイヤチョイスやその他、様々な項目に関して慎重に作業を行いました。スタート前に本人に対し、今日の仕事はまず完走。上位を走り続ければ、自ずと結果は付いてくるからと言い聞かせてレースに送り出しました。その言葉を受けて浦本はそれをしっかりと実行し、序盤は混戦の中から抜け出すのに手間取ってしまいましたが、それでも焦らずに着実に走行し、久しぶりに上位でレースを終えることができました。状態は少しずつ良くなっていますし、何よりも若いライダーですからシーズン中にこのまま調子を上げていけば、最終戦までにはまた優勝するところまでパフォーマンスが上がると思います。
 JSB1000の高橋巧は序盤からトップ争いに付いていくことが厳しい状況の中、メカトラブルが発生してしまってピットインし、修復してレースに復帰という展開になってしまいました。とても残念ですが、テストをしっかりとこなして巻き返したいと思います。
 応援、ありがとうございました。

堀尾勇治チーフメカニック

 久々に完敗です。どのクラスも、チームとしてやろうとしていたことができませんでした。準備不足の部分もあったし、テストの時間が有効に使えなかったという反省もあります。一人一人が管理している内容に関してしっかりと見直しを図るためにも全体でミーティングをし、なぜこうなったのか、その対策はどうしたらいいのか、きちんと全員で考え、仕切り直したいと思います。

高橋巧選手

 テストではいいフィーリングで走ることができていたのですが、レースウイークに入ってコンディションの違いもあり、思うような走りができなくなってしまいました。何とかテストの状態に戻そうと最後の予選時間まで使いましたがうまく仕上げられず、結果的には7月のもてぎのレースの時の状態に戻しました。レースは序盤、タイムが思うように上げられず、走りの組み立てをいろいろ変えていたのですが、セッティングも走りながら少し変えたところいいリズムになってきたのでさぁこれらと思っていたらマシントラブルが発生してしまい、ピットに戻らなくてはならなくなってしまいました。残念ですが気持ちを切り替えて、テストからしっかり走り込み、巻き返したいと思います。

小林龍太選手

 レースは走行していてリアタイヤが横に逃げる傾向が強くなっていたのでフロントへの負担を少し増やそうと走りを変えた途端、一気にフロントが切れ込んでしまいました。ウイーク中のマシンの仕上がりは8割くらいだったのですが、走りのリズムとしては今ひとつしっくりこない部分があって、いろいろ試してみたのですが思うように行かない部分がありました。今回は決勝に向けたバイクのセットアップを意識して全セッションを走行し、タイム出しはそれほど意識してませんでした。ただ、テスト項目が多かったのでロングランができていなかったので、それがレースで問題になったのかもしれません。次のレースではテストからそのあたりもしっかりと詰めていきたいと思います。

浦本修充選手

 とにかくここ2戦はまともにレースを戦うことができていなかったので、今日のレースはまず落ち着いて序盤を走ろうと心がけました。結果的には落ち着きすぎてポジションを落としてしまいましたが、ペース的には無理なく付いていくことができていたし、ポールポジションの野左根航汰選手だけは持ちタイムが良かったので前に出たら逃げるだろうからとマークし、その通りの展開になりました。逃がさずに付いていくことを心がけていたのですがテストからしっかりとマシンを仕上げられなかったため、終盤にプッシュする状態ではありませんでした。とても悔しいですが、すべてテストからマシンを仕上げられなかった自分に責任があるのはよく分かっているので、次のレースではテストからしっかりと高いレベルで走ってマシンを仕上げ、優勝したいです。

徳留真紀選手

 テストで投入したパーツの見極めに金曜日のART合同テスト1本目の走行を使い、結果的にそれは使わなかったのですが、それが最後まで足を引っ張ってしまったような印象です。足回りも新たな要素を加え、そのセットアップをしながら走行をこなしていったのですが、欲を出してレースに向け、さらに進めてみたのですが結果的にはそれがあまり良くなかったようです。決勝は思うような走りが序盤からできず、タイヤが消耗してきた後半になり、マシンのバランスが変わってそれが良くなかったようで、終盤の方がリズムよく走れました。6位という結果は納得できないけど、ポイントランキング的にはトップと3点差の2位で終えることができたので、チャンピオンが獲れるようさらに努力を続けます。

全日本第6戦は菅生

高橋巧選手

小林龍太選手

浦本修充選手

徳留真紀選手

表彰台の浦本選手