レースレポート
鈴鹿8時間耐久ロードレース
- ■開催日
- 2010年7月23日(金)〜25日(日)
- ■開催サーキット
- 鈴鹿サーキット
- ■天候
- 決勝 晴れ 気温:---度 路面状況:ドライ
- ■出場クラス
- ---
- ■ライダー
- 清成龍一・高橋巧・中上貴晶
- ■予選結果
- 4位
- ■決勝結果
- 1位
レース結果
国内二輪モータースポーツで最大規模のイベントとなっている鈴鹿8時間耐久ロードレース。
全日本選手権のJSB1000クラスのマシンとほぼ同じレギュレーションで行われるこのレースは、
同クラスを戦うチームにとって喉から手が出るほどほしいレースであり、
そこでの勝利のために全日本を戦っていると明言するトップチームがいるほど勝つことが難しい、
そして伝統と歴史のあるレースだ。
これまで3位表彰台2回、2位表彰台を1回獲得しているチームにとって、
MuSASHiのスポンサードを受けて2度目の8耐チャレンジということもあり、今回はどうしても勝ちたかった。
これまで全日本をともに戦っているチーム員によって8耐ライダーを構成していたのだが、今回勝つために本田監督が選んだのは、
8耐優勝経験ライダーを外部から招聘するという方法だった。
本田監督が声をかけたのは、2005年、2008年と2回の8耐優勝経験者であり、
今シーズンはイギリスのスーパーバイク選手権を戦う清成龍一だ。
彼に、全日本を戦う高橋巧、鈴鹿300kmにも参戦した中上貴晶という三名でのコンビネーションとした。
レース前3週にわたって事前テストが行われたが、清成が参加できたのは二日間のみ。
しかしチームスタッフが総力を挙げ、マシンを仕上げていく。
レースウイークに入って、清成のタイムが思うように上がっていかないのだが、チームは焦ることなく、
決勝へ向けて着実に準備を進めていく。計時予選は清成のマークした2分8秒817で4番手に付け、翌日行われるスーパーポール出場権を得た。
このスーパーポールは3回のセッションに分かれており、最初のセッションは14分間、次が12分、最後が10分間で、
それぞれのインターバルは7分。Q1で上位17台、Q2で上位8台に絞り込むというシステムだ。
使用できるタイヤは3セッションを通して1セットということで、
各ライダーともにQ1、Q2ともに全力走行は1周のみ。最後のセッションに余力を残した。
スーパーポールに出場した高橋はQ3まで進み、2分8秒548で4番手となった。
日曜日の午前11時半にレースがスタート。8時間後の午後7時半のゴールを目指し、50台が一斉に全力走行へと入った。
スタートライダーを務める高橋は慎重に序盤を走行。3位の位置からさらに上位をねらう。
60度を超える、これまでにだれも経験したことのないような路面温度の中、レースは展開される。
このため、転倒者が続々と出る波乱の展開となる。そんな中、高橋はハイペースながらもリスクを冒さずに走り、
上位陣の転倒もあり、2位に上がったところでマシンを清成に預ける。
清成は積極的な走りを見せ、28周目にトップに出るとそのままこのポジションを維持し、再びマシンを高橋に託す。
ピットインのタイミングで2位に落ちた高橋だったが、果敢にコースを攻め、トップに迫る。
しかし大きく迫ると周遅れに前を阻まれ、抜ききるところまで至らない。
そうしたパターンを繰り返し、このパートでは2位のままマシンを清成に託す。
トップから7秒4の差でマシンを受け取った清成は14時半という猛暑の中、2分9秒台というハイペースでラップ。
差を詰めにかかり96周目、ついにトップの座を奪う。さらにハイペースを維持する清成に対し、
2番手はペースが落ち、5秒3まで差が広がった106周目の2コーナーで2位のライダーが転倒。
これにより、ゼッケン634は完全な独走態勢となった。
高橋最後の担当スティントの78周目あたりから疲労によりペースが極端に落ち、
予定よりも早くピットイン。このため、清成は202周目にガソリン補給のためイレギュラーピットインをするというハプニングはあったが、
それでも2分近くのマージンを持っていたため焦ることなく作業を済ませ、ゴールを目指す。
そしてチームにとって初の8耐制覇を、215周して果たすことに成功したのだった。
チームメンバーのコメント
本田重樹監督
皆さんの応援とご協力のおかげで、念願の鈴鹿8耐制覇をすることができました。 ありがとうございました。ライダー、チームスタッフも全力で頑張り、 勝利に貢献できたのは、監督として本当に嬉しく、そして誇りに思います。 本当にありがとうございました。
清成龍一選手
チームに勝利がほしいということで抜擢していただいたのですが、 予選まではなかなかマシンになれることができず、苦労をかけてしまいました。 それでも本当にチームスタッフは素晴らしい仕事をしてくれて、 決勝までに高いパフォーマンスのマシンに仕上げてくれました。 この勝利は応援してくださった皆さんと、チームスタッフのおかげです。 大役が果たせてほっとしています。とても楽しいレースウイークでした。ありがとうございました。
高橋巧選手
最後のスティントはヘロヘロになってしまい、 走り出す前に社長から『辛くなったら足を出して次の周にピットに戻って来い』と言われていたので、 ギリギリまで頑張って走って戻ってきました。自分はまだまだ経験が不足していて、 今回は清成さんやチームのみんなに支えられて、最期まで無事走ることができました。 たくさんの方にも応援していただき、とても心強かったです。ありがとうございました。
中上貴晶選手
予選は走ったのですが、決勝は走らないという予定だったので、レース中は万が一に備えてはいましたが、 ハラハラして見守っていました。予選、決勝と、素晴らしい先輩方の走り、行動を見せていただき、 とても勉強になりました。来年までに成長して、是非第1ライダーで8耐にチャレンジしてみたいです。

スターティンググリッド

清成龍一選手

高橋巧選手

中上選手と本田監督

念願の優勝表彰台