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レースレポート

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全日本ロードレース選手権 第4戦 in SUGO

開催日
2009年8月29日(土)〜30日(日)
開催サーキット
スポーツランドSUGO(宮城)
天候
決勝 曇り 気温:20.6度 路面状況:ドライ
出場クラス
ST600/JSB1000
ライダー
小西良輝・小林龍太/山口辰也
予選結果
小西良輝 2位・小林龍太 8位/山口辰也 3位
決勝結果
小西良輝 1位・小林龍太 4位/山口辰也 出走せず

レース結果

 鈴鹿8耐から1ヶ月。全日本選手権後半戦のスタートとなる第4戦SUGO大会が8月29日、30日に 宮城県・スポーツランドSUGOで開催された。例年、8月末に開催されるこのレースは残暑厳しい暑さの中での レースとなっており、実際に事前テストは8耐以上の暑さとなり、この対策に各チームともに追われることとなった。 ところが実際にレースウイーク入りすると、どんよりとした曇り空となって気温も上がらず、 不安定なコンディションに惑わされることとなった。

ST600クラス

 ドライで行われた金曜日のART合同走行1回目のセッションは小林龍太が1分33秒772でトップ。 小西も順調にラップを重ね、1分34秒129で3番手に付ける。 午後の2回目の合同走行は小西が1分33秒213までタイムを詰めてトップ。 小林も1分33秒556で2番手と、チームが1-2でこの日のセッションを終えることに成功した。
 予選日となる土曜は曇り空で、時折雨がパラつくコンディションとなった。 午前9時45分からスタートするこのクラスの予選前に雨が降り出し、 ST600クラスの予選はウエット宣言が出される中でスタートした。 しかし雨は止んでおり、空も明るくなっていることから、 時間の経過とともにコンディションは良くなっていくことが予想された。 実際に各ライダーとも、時間の経過とともにタイムアップしていく。 多くのトップライダーが予選前半は走らずにコンディションが良好になるのを待っていたのに対し、 小西は積極的に周回を重ねる。 そうしてラストラップに1分35秒654までタイムを縮め、2番手となった。 小林も意欲的にラップを重ねたたが、コンディションの変化に対して今ひとつ攻め切れず、 1分36秒309で8番手となった。
 土曜は気温が27.5度だったのに対し、決勝日は20.6度。 観客の多くが長袖で来場しているような肌寒ささえ感じる涼しさとなった。 さらにどんよりとした曇り空で、時間の経過とともに暗さが増し、 ST600クラスのウォームアップ走行はドライで行われたが、いつ雨が降り出しても不思議ではないような一日となった。 ウォームアップ走行で小西はトップタイムをマーク。小林も4番手と、 コンディションの変化に対してもしっかりと順応していることをアピールする朝の走行となった。
 決勝はドライコンディションでスタート。 小西は得意のスタートダッシュを見せ、先頭で1コーナーに飛び込む。 小林もまずまずのスタートを見せ、4番手でオープニングラップをクリアする。 2周目、トップを奪われた小西だが、すぐに奪い返す。 7周目、3位を走っていたライダーが転倒し、このために4位に付けていた小林が自動的に3位に浮上する。 ラスト3周となった13周目に小西はスパート。 1分34秒台から33秒台へタイムを上げ、後続を振り切りにかかる。 このスパートに付いていけるライダーはなく、小西は嬉しい今季初勝利。 小林は逆にラスト3周で抜かれてしまい、表彰台に後一歩の4位チェッカーとなった。

JSB1000クラス

 第3戦で優勝し、鈴鹿300q、鈴鹿8耐と好調さを維持している山口辰也。 第4戦SUGO大会に向けた事前テストでも順調にタイムを刻み、 レースウイークに入っても山口を中心に、このクラスは動いていくこととなった。
 金曜日のART合同走行は1回目に1分28秒730でトップ。続く2回目は、非公式ながら コースレコードを上回る1分28秒084というタイムをただ一人マークし、その速さをアピールした。 しかし未知の領域に入ったことで、まったく問題がないわけではなかった。 事前テストで出た課題をクリアするため、このレースウイークでは新たな方向性を持った セットアップを進めており、完全な仕上がりを見せているわけではない。 ノックアウト方式となり、3回のセッションでしっかりとタイムを出さないと 次のセッションに進めない予選方式の中で、タイムを出しながらマシンセットアップを進めることとなった。
 雨がパラつき、天気に翻弄されるクラスが出た予選だったが、 JSB1000クラスはドライコンディションで予選を行うことができた。 しかしウエット宣言が出されており、路面はわずかにウエットパッチが残り、 雨がいつ振り出してもおかしくないような状況となった。 そんな中で山口はマシンセットアップをしながら順著にタイムを詰めて最終セッションまで進出。 1分28秒050のコースレコードを記録して3番手となり、フロントローからのスタートとなった。 ウエット宣言されたことで、使用タイヤ制限が解除。 このために状況に合わせたタイヤを次々と導入し、予選タイヤさえも装着したライバルチームに対し、 山口は決勝用タイヤで出したタイムであり、決勝への確かな手応えを感じながらの予選であった。
 決勝へ期待が高まったが、スタートへ向けたサイティングラップ中に山口は転倒。 この際に頭部を強く打ち、マシンもコース上に残ってしまったことから、 この処理のためにスタートはディレイとなった。 救護室に救急車で運ばれた山口は頭を打っていることからそのまま外部の病院へ搬送され、 スターティンググリッドに並ぶことなく、レースを終えざるを得なくなってしまった。

チームメンバーのコメント

本田重樹監督

 ST600クラスはやっと小西らしいレースをすることができ、 チームとしてJSB1000決勝への勢いがついたと感じていたのですが、非常に残念な結果となってしまいました。 第3戦が終わってから約3ヶ月のインターバルにマシン面を見直し、さらに強力なハード面で後半戦を戦おうとねらい、 チーム全体としてうまくレースウイークを進めることができていただけに、言葉がありません。 山口は頭を強く打っているということで外部の病院へ運ばれ、精密検査を受けていますが、 右手小指を痛めただけで、大きな怪我はありません。 検査結果に問題がなければ、次のレースへ向けたテストに予定通り参加できると思います。 たくさんの方に応援いただいていただけに、申し訳ない気持ちで一杯です。 この悔しさは次のレースにぶつけたいと思います。引き続き応援、よろしくお願いいたします。

小西良輝選手

 周りがどうというより、とにかくしっかりと自分の戦いをしようと強い気持ちを持って 今回はサーキット入りしました。決勝は路面温度が低く、気を遣うことが多い難しいレースでしたが、 その状況の中で自分がどう戦うか冷静に判断し、最後にスパートを掛けて抜け出す理想的な展開となりました。 実力伯仲の激しい戦いが毎回展開されるクラスなので、この勝利に気を抜かず、さらに努力を続けたいと思います。 応援、ありがとうございました。次も必ず勝ちます。

小林龍太選手

 調子自体は良かったのですが、コンディションの変化にしっかりと対応できず、 決勝はトップグループを走ってはいましたが、前のライダーについていくのが精一杯で、 仕掛けるとか、前のライダーがミスをしたときにそこを突くとかということができる状態ではありませんでした。 もう少しテストから高いレベルで走行を重ね、マシン、ライダー両方の余裕を作る必要があると感じました。 次のレースこそは表彰台に上りたいと思います。応援、よろしくお願いいたします。

小西良輝選手

小林龍太選手

山口辰也選手

表彰台の小西選手