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レースレポート

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全日本ロードレース選手権 第7戦 in 岡山国際サーキット

開催日
2014年9月27日(土)〜28日(日)
開催サーキット
岡山国際サーキット
天候(決勝)
 
出場クラス
JSB1000/J-GP2/J-GP3
ライダー
高橋巧/亀谷長純/浦本修充/水野涼
予選結果
高橋巧:3位/亀谷長純:13位/浦本修充:5位/水野涼:9位
決勝結果
高橋巧:2位/亀谷長純:12位/浦本修充:3位/水野涼:4位

レース結果

2014シーズンもいよいよ大詰め。9月27日・28日に岡山県岡山国際サーキットで、全日本第7戦が開催された。今年のシリーズは、今回の岡山国際と、最終戦鈴鹿の2レースとなった。第5戦、第6戦は2&4スタイルだったため、全クラスは6月末の全日本第4戦スポーツランドSUGO以来約3ヶ月ぶりとなる。今回のレースにMuSASHi RTハルク・プロは、JSB1000クラスに高橋 巧、J-GP2クラスには亀谷長純、浦本修充、J-GP3クラスには水野 涼と、合計4名のライダーで参戦した。
レース開催の前週に事前テストが行われ、各ライダーともにそれぞれ課題を持って臨み、その流れでレースウイーク入りすることとなった。

JSB1000

前回のレースでランキングトップの座から2位となった高橋 巧にとって、ぜひここ岡山国際のレースで勝ち、最終戦へ優位な立場で臨みたいところ。しかしこのコースは高橋にとって鬼門となっており、一度も表彰台に立てない相性の悪いサーキットだ。しかし事前テストではトップタイムを出したセッションもあり、大きな成長をここでも見せ、レースへの期待が高まった。金曜日のART合同テストになっても、1本目で2番手。午後に行われた2本目は4番手とやや下がったが、これまでの相性の悪さは徐々に払拭できていた。 土曜日のノックダウン方式の予選ではQ1を2位でクリア。さらにタイムを詰めたQ2だったが、3番手のタイムとなり、フロントロー3位からのスタートとなった。 いよいよ決勝がスタート。予選1位、2位のライダーが飛び出し、これに付いた高橋だったが、オープニングラップのダブルヘアピン2個目で2位のライダーが転倒。このコースは国内でも路面のグリップが低いコースで、序盤のタイヤの暖まりが良くない。そのために走り始めは慎重さが要求されるのだが、目の前の転倒を見て高橋はより丁寧な走りを心がけたため、トップのライダーと1周目を終えた時点で1秒8の差を付けられてしまう。6周目あたりからトップとほぼ同じペースに上げることができ、7周目にはラップタイムを上回ることができたが、既に差は3秒5に広がっており、レースをコントロールされていた。トップとほぼ同じペースで走るのだが、差は詰められず。結局そのまま2位でゴールし、このコースで初表彰台獲得。ランキングトップと7点差で、最終戦に臨むこととなった。

J-GP2

土曜日に亀谷長純が今季限りで現役ライダーを引退すると発表。チームも残り2レースを充実した戦いで終えることができるよう、通常の担当メカニックに加え、サポートスタッフを一人加えたサポート体制でテストからレースウイークまでバックアップすることとなった。なかなかマシンのセットアップが思うように進まず、シーズンここまで苦しい戦いを強いられている亀谷だが、スタッフ補強が功を奏し、テストから徐々に流れは変わり始めた。一方の浦本は走りのリズムは良いのだが、それがなかなかタイムに反映することができず、テストから苦戦していた。それは金曜日のART合同テストに入っても変わらず、1本目は浦本が6位、亀谷10位という順位になっていた。様々なトライがタイムアップにつながらず、2本目の浦本は少しタイムを落として7位、亀谷は少しタイムを上げたが12番手と下がってしまった。この流れは予選になっても変えることはできず、浦本は5番手となった。亀谷は前日のタイムを少し縮めたが13番手と、いつもの順位から抜けだせない。 しかし決勝日朝のウォームアップ走行で浦本は、気温がまだ上がりきっていないコンディションながら予選タイムをコンマ1秒詰める速さを見せて3番手に付け、決勝に期待が高まる走りを見せた。 決勝がスタート。浦本はオープニングラップを5番手でクリアし、亀谷は12番手。前を追いかけるため、早めにタイムを上げる浦本だが、なかなか順位を上げるところにまでは至ることができない。それでも7周目4位、10周目に3位まで上がっていく。亀谷は2周目に目の前の集団を抜き、10位までポジションを上げるがその位置を維持することはできず、4周目11位、5周目12位、7周目には13位まで下がってしまうが、10周目には12位に戻し、なんとか前との差を詰めようとトライする。しかしここから浦本、亀谷ともに順位を上げることはできず、浦本3位、亀谷12位でチェッカーとなった 。

J-GP3

ランキングトップで残り2レースを迎える16歳ライダー水野 涼。ぜひ良い結果を出し、最終戦に進みたいところだ。しかしこのコースは左右連続したコーナーが多く、走りのリズムが非常に重要で、しかも路面のグリップが低いこともあり、手強いコースだ。 しかし金曜日のART合同テストは1本目、2本目ともに3番手に付け、まずまずのスタートを見せることができた。予選では回りのタイムアップにやや出遅れてしまい、9番手となってしまったが、決勝日朝のウォームアップ走行では気温が上がらない難しい条件にもかかわらず、予選タイムを上回るラップタイムを記録し、このセッションでトップに付ける速さを見せた。 いよいよ決勝がスタート。1周目は7番手でクリアし、9台によるトップグループの中でレースを展開することとなった。身長のある水野にとって、痩せてはいるもののライバルに対して体重のハンディはどうしても避けられないもので、それはストレートスピードにどうしても出てしまう。コーナーで持ち前の速さを見せ、トップグループに加わる水野だが、なかなか僅差で続くトップ集団の中で順位を上げるところまでには至ることができない。 それでもレース中盤となる8周目あたりからペースを上げ始め、11周目6位、15周目3位と着実に順位を上げていったが、16周目のヘアピンで接触転倒が目の前で起こり、なんとか巻き込まれることは避けられたが、5位まで順位を落としてしまい、トップから2秒ほど離されてしまった。しかし16周目にこのレースのこの時点でファステストとなる1分36秒873をマーク。さらに17周目1分36秒725とペースを上げ、18周目1分36秒634をマーク。トップグループに追い付き、3位に上がるとさらに前に出ようとアタック。さらに前を捉えようとしていたが、ラストラップに後ろに付かれていたライダーに抜かれてしまい、4位でチェッカー。シリーズランキングは6点差の2位で第7戦を終えることとなった。

チームメンバーのコメント

本田重樹監督

「J-GP3の水野涼はこのレースウイーク中、今一つセッティングが決まらなかったのですが、決勝日朝になっていいセットが見付かり、本人は自信を持って決勝に臨むことができました。レースはいいペースで走ることができ、トップがねらえる位置に付けたのですが、レース中のアクシデントで順位を落としてしまったのは残念でした。それでも残りの周回数の中でトップグループに追い詰め、表彰台も見えましたが、最後まで優勝をねらった走りが裏目に出てしまい、4位となりました。結果は少し残念でしたが、次につながる走りを見せることができたので、最終戦に期待します。J-GP2クラスの浦本修充は自分の持っているタイムを十分に発揮し、精一杯のレースをしました。トップ2台が速く、残念ながらそこに追い付くことはできませんでしたが、課題を持ってしっかりと練習し、最終戦でもいいレースができるように頑張りたいと思います。亀谷長純は自分で現役を引退することを決め、残り2レースという大事な戦いとなりました。残り少ないレースを充実したものにしたいということから、我々もスタッフを増やし、できる限りのバックアップ体制を敷き、レースに臨みました。ですが残念ながら今回も亀谷の好みのバイクに仕上げることはできず、苦しい戦いとなってしまいました。次が彼にとって最後のレースとなるので、さらにチームとして色々考え、できることを100%してあげたいと思います。JSB1000クラスの高橋 巧は、チャンスはあったと思いますが、序盤に目の前で転倒があり、必要異常な慎重な走りを強いられてしまったことからトップを逃がしてしまい、精神的にとても大きなダメージとなってしまいました。後半に追い上げはしたのですが、最初のビハインドは大きく、そのままレースは終了となってしまいました。結果は残念でしたが巧自身はメゲていませんし、ランキング2位で最終戦に臨むことになりましたので最後まで最善を尽くして頑張ります。今回もたくさんの応援をいただき、ありがとうございました。最後までしっかりと戦い抜きます。」

堀尾勇治チーフメカニック

「J-GP3の水野はマシンのアドバンテージはなかったのですが、ライダーのスピードを十分に発揮し、皆に魅せるレースをして表彰台、あわよくば優勝というところまで辿り着いたのですが表彰台も逃してしまい、ちょっともったいないレースになってしまいました。ですがタイトル争いに最後まで加わることができているので頑張ってほしいです。J-GP2の浦本はライバルチームが自分たちの武器を最大限に活かしてきたのに対し、決勝までにしっかりとバイクを仕上げることはできたのですが、できればもう少し早くそのレベルに到達しないとライバルを超えるためのプラスαを用意することができないので、そこが大きな課題だと感じます。普段からそのあたりをしっかりと意識し、継続していって欲しいです。亀谷はテストからレースウイークへと上向きだったのですが、まだ彼の求めるところには到達できていません。もう一レベル、上に上がれるようにバックアップしていきたいと思います。JSB1000の巧も浦本と同じで、戦えるレベルになったのが土曜日で、ライバルは早い時点でそこに到達し、さらに自分たちのアドバンテージを作る作業に入っているのに対し、遅れてしまいました。今回のレースは最低でも2位、ということを目標として、その最低目標はクリアできたのですが、タイヤも同じものを履いていましたし、あれだけ離されてしまって悔しさしかありません。最終戦が行われる鈴鹿では巧も十分なスピードを持っていますし、鈴鹿8耐2連覇のライダーとしてきちんと結果を出し、それに付いてくるランキングを待ちたいと思います。」

高橋巧選手 JSB1000

「中須賀さんが序盤から速いペースでラップするのは分かっていましたし、なんとか後ろに付いていこうと考えてはいましたが、目の前で津田選手が転倒したことでより慎重な走りになってしまい、そこで大きな差を付けられてしまいました。とは言え、このコースでは表彰台にも上がったことがないので、2位という結果は悔しいですが受け入れたいと思います。最終戦の鈴鹿でしっかりと勝負し、出来るだけのことをして出る結果を待ちたいと思います。」

亀谷長純選手 J-GP2

「もう少し自分の中では前に行きたかったのですがまだバイクが思うように仕上がっていないこの状況では、厳しかったですね。テスト、そして予選までの流れは良い方向に進んでいたのですが、決勝になって気温が上がり、路面温度が上がったこともあるのかもしれませんが、消そうと作業していた症状がまたしても出てしまい、どうしようもなかったです。最終戦までにテストも出来るので、そこでしっかりとバイクをセットアップし、良い状態で自分の最後のレースとなる最終戦に臨みたいと思います。」

浦本修充選手 J-GP2

「自分としては現状でも持てる力をすべて出したのですが、トップ2台との差はどうしようもなく、3位でチェッカーとなりました。全体的にもう少し高いレベルに上げなければいけないと痛感しました。最終戦は去年勝っている鈴鹿ですし、自信を持って戦い、同じような形でシーズンを締めくくりたいと思います。」

水野涼選手 J-GP3

「途中、いろんなことがあって離されてしまい、トップとの距離的にはかなり離されて厳しかったのですが諦めず、自己ベスト付近でラップを重ね、ファステストラップも出して追い上げられたのは回りの方にも評価していただけたので良かったと思います。できれば優勝、最低でも表彰台には上がりたかったのですが、最後はもう優勝することしか考えていなかったので、後ろはまったく気にしていなくて、抜かれてしまいました。序盤にあの集団を早く抜けだせなかったのがレース終盤で苦しくなってしまった原因で、それは今年参戦しているアジアタレントカップでもクリアすべき課題になっているので、そこはしっかりと反省したいと思います。」

 

 

2位表彰台獲得の高橋選手

 

3位入賞の浦本選手

 

 

スタート直後のJSB1000クラス