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レースレポート

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全日本ロードレース選手権 第8戦 in 岡山

開催日
2013年9月28日(土)〜29日(日)
開催サーキット
岡山国際サーキット
天候(決勝)
晴れ-路面状況:ドライ
出場クラス
JSB1000/ST600/J-GP2
ライダー
高橋巧/亀谷長純/浦本修充
予選結果
高橋巧:5位/亀谷長純:14位/浦本修充:7位
決勝結果
高橋巧:4位/亀谷長純:リタイヤ/浦本修充:5位

レース結果

 今年は2&4スタイルのレースが増えたことから、全4クラス開催のレースは今回の第8戦岡山国際大会で4戦目となる。開催されるコースは岡山県美作市にある岡山国際サーキット。全長3.7kmの中に二つのストレートと16個のコーナーが組み合わされるテクニカルコースだ。路面のμは国内のサーキットの中では低めで、山間にあることから朝夕の寒暖の差も大きく、これがコースコンディションに影響を及ぼすことからそうした対応もチームは求められる。
 今回のレースにもMuSASHi RTハルク・プロから、JSB1000クラスに高橋、J-GP2クラスに浦本修充、ST600クラスに亀谷長純とレギュラーメンバーで参戦した。特に高橋巧はシーズン終盤のこの時点でランキングトップに付けており、非常に重要なレースとなる。チームはレースの前週に行われたテストに参加。今回は豊富なテスト時間が持て、充実した走行を重ねてレースに向けた準備を進めることが出来た。

JSB1000

 手応えのある事前テストを行うことが出来たチームはチームの本拠地に戻り、テストで進めたセットアップ以外にコンディションへの変化への対応策も用意し、レースウイーク入りした。しかしレースウイーク初日のセッションをスタートさせたところ、事前テストとは路面のフィーリングが大きく異なり、チームはテストで進めたセッティングと、気候の変化への対応策として用意したセッティングをテストすることとなった。しかし明確な差が出にくいことから、その見極めに予選セッションまで使わなければならない事態となってしまった。
 このコースは左右に連続するレイアウトとされていることから、前車をパッシングしにくく、スタート位置が非常に重要となる。レースで好成績を残すためには、予選で出来るだけ前に付けておきたいところだが、高橋はマシンセッティグの見極めに多くの時間を使ってしまったことから7番グリッドと、いつもより後ろの位置からスタートしなければならなくなった。
 決勝がスタート。やはりスタート位置の悪さが災いし、さらには序盤にタイヤをしっかりと暖めながら高いペース維持が求められるのだがこれに手こずり、レース前半の時点でトップグループとの差が広がってしまった。周回数を重ね、タイヤが暖まってくるとともに高橋本来の速さを見せ始め、3位を走るマシンの背中を捉える。ラストラップのダブルヘアピン1個目の進入でインに飛び込み、一瞬前に出た高橋だがスピードが高すぎたことからラインを大きく外し、再び4位に。結局もう一度アタックすることは出来ず、そのまま4位でチェッカー。ランキング2位に2点差を付けて最終戦に臨むこととなった。

ST600

 マシンのセットアップに悩みながら第8戦まで来た亀谷長純。何とか成績を浮上させるセットアップを見付けたいとアプローチし続けるチームは今回、いつもアジア選手権を担当しているスタッフを全日本に帯同させテレメトリーを担当してもらい、通常では追い切れないデータ部分をフォローする体制を取った。セットアップに悩むうちに進むべき方向性がずれてしまっていたようで、修正に時間がかかってしまったが、それでも決勝前には戦える状態まで持っていくことが出来た。
 期待を抱きながら決勝をスタート。トップグループの後ろで展開される10位争いの先頭も見えてきていた6周目のダブルヘアピン入り口で、後続車が亀谷のテールカウルにマシンをヒットさせ、634のマシンはそのままコースの外側にはじき出されてしまった。幸いにも亀谷にはケガがなかったが、マシンは再スタートできるような状態ではなったことから、そのままリタイヤすることとなってしまった。

J-GP2

 やっと前戦で今季初表彰台獲得を果たした浦本修充。それをきっかけにして、さらに表彰台中央を目指したいところだが、テストのフィーリングが今一つ良くない。タイム的にも昨年のタイムからコンマ7秒ほど遅く、ライバルに対してやや出遅れた状態でレースウイーク入りすることとなった。
 対策を用意してレースウイークでの走行をスタートしたところ、調子を取り戻す兆しが見えたことから、やっと決勝へ向けた準備がここからスタートすることとなった。それでも事前テストでセットアップを進められなかったことが足を引っ張り、ライバルに対して出来てしまった差をなかなか詰められない。予選を終えて得たグリッドは7番手。ここから上位進出をねらうことになった。
 スタートはまずまずの飛び出しを見せ、1周目を5番手でクリア。やはり事前テストからマシンを仕上げていけなかった差から、トップグループの1分32秒台へ入れることは出来ないながらも、浦本は安定して1分33秒台中盤から前半でラップ。レース終盤のレベルではトップグループと遜色ないペースで走ることができていたが、大きく順位を上げるところまではたどり着けず、5位でチェッカーとなった。

チームメンバーのコメント

本田重樹監督

 ST600クラスの亀谷はこのレースウイークにマシンを自分の好みに仕上げることが出来ず、苦労することとなりました。最終的には決勝日朝のウォームアップ走行で亀谷の望む状態に近付けることが出来、実際にレースも10位争いの前に出られるスピードを見せていたのですが、後続車に追突されてしまい、そこでレースを終えなければならなくなってしまったことは非常に残念でした。最終戦に向けてさらにマシンのセットアップを進め、全力でレースを戦えるようにしたいと思います。
 J-GP2クラスの浦本は、前回のオートポリスでつかみかけた流れをまた元に戻してしまうことになってしまいました。何とか本来の速さが取り戻せるようにトライをしたのですが、最後までいい感触をつかむことが出来ませんでした。最終戦までに問題点を洗い出し、良い形で最終戦を終えることが出来るようにしたいと思います。
 JSB1000クラスの高橋は、もう速さ自体は全日本トップクラスであることは間違いないのですが。ずっと抱えてきている序盤にタイヤを早く暖めるということが今回もうまく出来ず、さらにこのレースではスタート位置の悪さがそれに重なり、彼が走るべき位置から遠く離れた後ろのポジションでのレースとなってしまいました。何とかこの課題をクリアし、一皮むけたレースをしてもらいたいところです。今回もたくさんの応援をいただきました。ありがとうございました。残りあと1戦、全力で戦いますので引き続き応援、宜しくお願いします。

堀尾勇治チーフメカニック

 全体的に厳しいレースとなってしまいました。JSB1000クラスの高橋は、初日にテストで使っていたセットアップデータがうまく活かせず、そこで足踏みしてしまったことが最後まで足を引っ張ることになってしまいました。もう少しライダー側が考え方の幅を持つ必要があるように感じるので、そのあたりは次の課題としてクリアできるようにしていきたいと思います。
 ST600クラスの亀谷はセットアップに手間取りながらも徐々にマシンを仕上げることが出来、決勝ではトップグループの後ろのセカンドグループに加わり、その集団の前に出るくらいの勢いを見せていたのですが後続車に追突され、リタイヤという残念な結果になってしまいました。
 J-GP2クラスの浦本は、せっかくオートポリスで2位になり、自信を取り戻せるかと思ったのですがなかなかそうはいかず、今回の岡山では誰かの後ろに付かなければタイムが出せないような状態になってしまいました。どうしたらうまく彼のバックアップが出来るのか、チームでミーティングして対策をしたいと思います。

高橋巧選手 JSB1000

 完全に自分のミスです。最後は意地で前に出ようとアタックしましたがオーバースピードだったようでコースを飛び出しそうになってしまいました。最終戦は良いレースができるよう、仕切り直しして臨みたいと思います。

亀谷長純選手 ST600

 未だマシンのセットアップに悩んでおり、その対策にレースウイークの時間を費やしてしまいました。決勝前にやっと仕様が決まり、手応えを感じながら決勝だったのですが追突されてしまい、リタイヤとなってしまったのは残念です。

浦本修充選手 J-GP2

 悔しいの一言です。一人ではタイムが出せないし、人に引っ張ってもらうとそこそこのペースでは走れるのですが、今後はマシンのセットアップに安定性が出せず、まとまりませんでした。

全日本第8戦岡山

JSB1000 高橋選手

ST600 亀谷選手

J-GP2 浦本選手