MUSASHI RT HARC-PRO

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レースレポート

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全日本ロードレース選手権 第6戦 in SUGO

開催日
2013年8月24日(土)〜25日(日)
開催サーキット
スポーツランドSUGO
天候(決勝)
晴(曇)-路面状況:ドライ
出場クラス
JSB1000/ST600/J-GP2
ライダー
高橋巧/亀谷長純/浦本修充
予選結果
高橋巧:3位/亀谷長純:11位/浦本修充:3位
決勝結果
高橋巧:2位/亀谷長純:20位/浦本修充:5位

レース結果

 シーズンも今回のレースを含めて残り4レース。ランキングトップを走る高橋巧始め、ライダー一人ひとりにとって一つひとつのレースがとても大切になっていく。事前テストが2週間前と1週間前に行われ、これにチームは参加。レースへ向けて準備を進めていった。今回のレースにMuSASHi RTハルク・プロは、JSB1000クラスに高橋巧、J-GP2クラスに浦本修充、ST600クラスに亀谷長純とレギュラーメンバーで参戦した。

JSB1000

 今回のレースは全日本の中でも唯一、1回のピットインが義務付けされたセミ耐久という設定がされた。走行距離は160km。1周3.704kmのスポーツランドSUGOのコースを43周する。1回のピットインの際には必ず15秒のストップが義務付けられている。このためにチームによって、ガソリン給油のみ、プラスリアタイヤ交換、あるいは前後タイヤ交換といくつかの戦略が考えられる。電動工具の使用は禁止されていることから、ガソリン給油とリアタイヤのみの交換であれば15秒以内での作業は可能だが、フロントタイヤ交換を行おうとすると作業工程が多いことから、一つ間違えれば大きなタイムロスになるリスクが生じる。二人のライダーでの参戦も可能とされていたが、MuSASHi RTハルク・プロは高橋一人で走ることにし、さらに8耐で見せた抜群のチームワークがあることから、前後タイヤ交換も行うこととした。
 事前テストでは今一つ調子の上がらなかった高橋だったが、レースウイークに入って徐々にいつもの速さを取り戻し、予選は3番手に付けた。決勝前に雨がパラパラと落ちてきてサーキット上空には厚い雲が覆っていたが、レースの進行とともに青空が戻り、コンディションの急変というハプニングはなかった。ややスタートで出遅れた高橋だったが徐々にトップグループとの差を詰め、19周目に3位にアップし、22周目にピットイン。前後タイヤ交換をして16秒という驚異的作業をチームは見せ、高橋をコースに送り出す。8耐でもアウトラップで何度かタイヤを大きく滑らせていた高橋は慎重にこの周を走行。このことでやや前との差が広がったが、フレッシュなタイヤを入れたこともあり、1分28秒台とレース終盤としては驚異的ペースで周回。38周目に2位に上がると、トップに大きく迫る。ラスト2周となる42周目の3コーナーで仕掛け、一瞬前に出かかるが出られず。テールtoノーズのままラストラップに入り、トップに大きく迫ったがフィニッシュラインでは僅か0.072秒差の2位となった。

ST600

 マシンのセットアップに手間取り、なかなか本来の速さを見せられずにいるこのクラス。その状況を何とか打開すべく、ライダーの亀谷、チームスタッフ全員で取り組んでいるが、イメージするレベルには辿り着かず、足踏み状態が続いている。できるだけ多く周回してマシンのセットアップを進めようと、予選でもトップでコースインし、意欲的に周回する亀谷。しかしタイムにその努力が反映させることはなく、11番手で予選を終了した。
 その後、チームのミーティングが行われ、一つの方向性が見出された。決勝日朝のウォームアップ走行でこれまでのセットアップとは大きく変えてみたところ、大きくフィーリングが向上。その状態で決勝に臨むこととした。序盤を9位でラップし、さらに上位をねらう亀谷。前を走るライダーと特性の異なるマシンに乗る亀谷は、抜けるポイントを探し出し、馬の背コーナーの進入と定めて何度かトライ。行けると踏んでハイスピードで7周目の馬の背コーナーに飛び込もうとしたところ、速度が高すぎてマシンがこらえきれずに転倒。すぐに再スタートしたが、最後尾まで順位を落としてしまった。それでも今後のセットアップにつなげようと周回を重ねる亀谷。ケガもなく、20位でチェッカーを受けることができた。

J-GP2

 ここまでの3戦すべて5位でレースを終えてきている浦本修充。このクラスにスイッチして2年目となる今年は、昨年果たした優勝も未だ果たせずにいる。何とかこの停滞した状況を打破しようと、今回はマシンのセッティングを大きく変えず、本来のライディングのリズムを取り戻そうと安定した状態での走行を続けた。その結果、時折小雨がぱらつく難しいコンディションだった予選にも関わらず、フロントロー3番手のタイムをマーク。浦本らしいレースが期待された。
 レースはまずまずのスタートを切り、序盤は4位を走りながら上位進出のタイミングを図る。しかし3位のマシンとそれぞれの速いポイント、遅いポイントが異なることからなかなか前に出られない。そうしている内に後ろからライバルたちが追い付いてきて抜かれ、さらに前をふさがれる形となり、またしても5位でフィニッシュとなった。

チームメンバーのコメント

堀尾勇治チーフメカニック

 鈴鹿8耐で優勝し、耐久ウイナーチームとしてJSB1000クラスのセミ耐久に臨んだのですが、勝つことはできませんでした。本人の調子もウイークに入ってからいい状態で、チームも彼の走りを最大限バックアップできるように作戦を立て、いろいろと準備してきました。その結果、レース中盤でピットインし、前後のタイヤも換えてタイムロスせずコースに戻せたところまでは良かったのですが、最後のもう少しの部分が足りなかったようで、1000分の72秒差で負けてしまいました。まだこのクラスは残り2戦あるのでそこで勝ち、高橋にとって初のJSB1000チャンピオン獲得を果たしたいと思います。
 J-GP2クラスはここまでのレースの反省から、とにかく安定したマシンで走り込みをさせました。その結果が出て、予選でもフロントローに並び、決勝が楽しみになったのですが、浦本の身体が大きいというハンディをライバルたちにうまく使われてしまい、トップ争いまで辿り着くことができませんでした。さらに頭を使い、手足の長さを生かした走りができるよう、そこは継続してアプローチさせたいと思います。
 ST600の亀谷長純は、まだマシンのセットアップが足りず、ライダーに苦労させてしまっている状況から抜けだせずにいます。マシン面でアプローチできる部分は十分にあるはずなので、もう一度すべて見直し、組み立て直したいと思います。

高橋巧選手 JSB1000

 チームが立てた作戦的はうまくいったので、あとは自分がレースをまとめられれば良かったのですが、それができずに本当に悔しいです。序盤のペースが上がりにくいこと、アウトラップも同様の状況なのは分かっていたのでそこは我慢しようと考えていました。実際にピットイン前までにトップに追い付き、さらにピットアウト後のレース終盤もトップに追い付いたので、そこまでは良かったのですがあと一つ、前に出ることができませんでした。本当に悔しいです。

亀谷長純選手 ST600

 決勝日朝のウォームアップ走行でトライしたセッティングが良く、決勝でもいいフィーリングだったので早めに準位を上げていこうとチャレンジしたら、思った以上にマシンの方の無理が利かずに転倒してしまいました。でもこのセットアップは今後のベースになっていくものだと感じているので、この先の走行が楽しみになりました。チームもいろいろと考え、トライしてくれているので、何とか早くマシンを仕上げ、チームとしても自分としても早く本来の場所でレースがしたいです。

浦本修充選手 J-GP2

 セッティングを変えずに走り込むことを意識した結果、予選は3番手となり、自分としてもマシンの状況を良く把握できるようになったのでとても意義のある予選となりました。決勝はポールシッターが逃げるだろうと思っていたのでとにかく付いていこうと考えていたのですが、前をふさがれてしまい、結果的に順位を上げられずに終わってしまいました。ここまでの4レースすべて5位と悔しさ以外何もない結果ではありますが、努力を重ねていくしかありません。

全日本第6戦SUGO

トップを争う高橋選手

ピットワーク

2位表彰台を獲得

亀谷選手#1

亀谷選手#2

浦本選手#1

浦本選手#2