MUSASHI RT HARC-PRO

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レースレポート

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全日本ロードレース選手権 第7戦 in 岡山

開催日
2011年10月8日(土)〜9日(日)
開催サーキット
岡山国際サーキット
天候
決勝 晴れ-路面状況ドライ
出場クラス
JSB1000/J-GP2/ST600
ライダー
高橋巧/小西良輝/小林龍太・浦本修充
予選結果
高橋巧 2位/小西良輝 8位/小林龍太 3位・浦本修充 16位
決勝結果
高橋巧 4位/小西良輝 9位/小林龍太 6位・浦本修充 14位

レース結果

 2011シーズンのレースも残り2戦。2週間前に行われた事前テストは台風の影響もありドライでの十分な走行はできなかったが、レースへ向けた着実なセットアップを行うことができた。さらにレース1週間前にはツインリンクもてぎでMotoGP日本グランプリが開催され、MUSASHI RTハルク・プロのレギュラーライダーである中上貴晶が海外チームから代役ライダーとしてMoto2クラスに参戦。非常に高レベルの走りを見せていたが、決勝日朝のフリー走行でマシントラブルが発生してしまい、転倒して肩甲骨を骨折。決勝はリタイヤとなった。このために中上は、全日本第7戦岡山国際大会を欠場せざるを得ない状況となってしまった。
 そのために今回のレースには、JSB1000クラスの高橋巧、ST600クラスの小林龍太、浦本修充に加え、昨年のJ-GP2チャンピオンであり今季はチームのアドバイザーとしてすべてのレースに帯同している小西良輝を起用し、来年の市販へ向け開発しているオリジナルマシンのテストを実戦の中で行うこととなった。

JSB1000

 事前テストから安定して高いアベレージラップが刻めている高橋巧。前回のレースではチャンピオン秋吉耕祐選手を接戦の末に振り切って優勝し、激戦の中で成長していることを証明して見せた。テストでの好調ぶりもそれを表しており、さらに大きな成長を遂げてもらおうとチームもできうる最高のバックアップ体制を敷いている。
 金曜日のART走行でもトップタイムをマークし、予選への期待が高まった。ノックアウト方式の中でQ1を2番手でクリア。Q2は3番手、最後のQ3で2番手となり、決勝はフロントロー2番手からのスタートとなった。10月の中旬となるこの時期。太陽が出ている日中は気温が上がるが、朝夕は寒さを感じさせる。決勝日朝のフリー走行では、午後3時過ぎにスタートする決勝へ向けて予選からセットアップを大きく変更し、フィーリングが悪くなかったことからこのセットで決勝を走ることにした。
 レースがスタート。まずまずのスタートを切り、2番手で1コーナーへ飛び込む高橋。しかしトップを狙って飛び込んだアトウッドコーナーでマシンが思うような動きをしてくれずに大回り。変更したセッティングが裏目に出てしまったようだ。このためにタイムを上げることができず、安定して刻めていた1分29秒台に入れられない。1分30秒台から後半には31秒台と、好調な高橋にとって我慢のスローペースで走らざるを得ない状況となってしまった。それでもラストラップに前を走る加賀山就臣選手をパスし、一つ順を上げ4位でチェッカーとなった。

J-GP2

 ここまでの4レースすべてをポールtoウインで飾ってきた中上貴晶。彼がライディングしているCBR600RR改を今回は昨年のチャンピオン小西良輝がライディングすることとなった。昨年のチャンピオンとは言え、今シーズンはまったくレーシングマシンに乗ることはなく、戦うライバルたちは4レースを終えており、シーズンの流れの中にいる。スポット参戦でその流れの中に入るのは非常に難しいものがある。それでも小西は金曜日のART合同テストで今年型CBR600RRハルク・プロ改に初乗りし、着実にタイムを詰めていく。予選ではチームが期待していた1分34秒台へタイムを入れ、1分34秒864のタイムで8番手に付けた。
 決勝は序盤を13番手あたりを走行し、6周目11位、9周目10位と着実にポジションを上げていき、そのまま9位でチェッカーとなった。

ST600

 マシンの改造範囲を大きく制限され戦われるこのST600クラス。そのためにレースの結果にはタイヤの性能が非常に大きなウエイトを占めており、いかにそのパフォーマンスをうまく引き出すセットアップができるかが大きな鍵となる。昨年から大幅なポテンシャルアップが図られたブリヂストンタイヤのR10だが、チームはその性能を引き出すセットアップの幅が狭く、これを大きく広げることが課題となっている。今回も事前テスト、さらにレースウイーク中の走行時間を使い、その解決にチームは総力を挙げてチャレンジしていた。
 金曜日のフィーリングは非常に良く、その流れの中で小林龍太は予選でうまくタイムを伸ばすことに成功し、フロントロー3番手と久々の好位置獲得に成功した。一方の浦本はセットアップに手間取り、さらにタイムを出すタイミングもうまく取れず集団に埋もれてしまい、16番手とやや出遅れてしまった。
 決勝も小林はまずまずのスタートを切り、序盤からトップグループに加わることに成功した。しかし気温の変化にマシンのセッティングが少しずれを見せてしまい、タイヤのグリップ不足が発生してしまって周回ごとに上がっていくトップグループのペースに付いていけなくなってしまう。序盤は4位に付けていたが、フィニッシュ時には6位となっていた。スタートダッシュでジャンプアップを狙っていた浦本は1周目の2コーナーでハイサイドを起こしてしまってコースアウト。ほぼ最後尾から追い上げる展開となってしまい、それでもしっかりと自分のペースを作り、14位まで上がってチェッカーとなった。

チームメンバーのコメント

本田重樹監督

 なかなか思うようなレースができずにいるST600クラスは、小林龍太が予選で久々にいいパフォーマンスを見せてくれました。決勝も期待が持てたのですが、我々が持っているパッケージングの中でピンポイントのセッティングになってしまうという課題がそこで出てしまい、決勝のコンディションに合わせきることができず、思うような結果を残すことができませんでした。そのあたりを最終戦に向けてしっかりと見直し、コースコンディションに合わせたセットアップができるようになれば小林ももっと上の順位でゴールできるようになると思います。浦本修充はなかなか岡山のコースを攻略できず、厳しいレースになってしまいました。それでも諦めずに攻め続け、14位という順位を得たその姿勢は高く評価したいと思います。
 J-GP2の小西良輝は先週の日本GPで中上貴晶がマシントラブルから転倒して怪我をし、今回のレースに出場できなくなってしまったために急遽、起用することとなりました。事前テストもなしのぶっつけ本番になってしまいましたが、昨年のこのクラスのチャンピオンである彼に乗ってもらうことで、マシンの現時点での仕上がり具合というものを確認してもらうことが最大の狙いでした。レース結果自体は満足のいくものではありませんでしたが、レースに出たということで、小西から貴重なコメントをもらうことができたことは、予定しているあのマシンの来年の市販化へ向けて貴重なデータになります。
 JSB1000クラスの高橋巧は、がっかりしたリザルトになってしまいました。決勝日朝のフリー走行でトライしたセッティングがいいフィーリングだったのでそれをベースに決勝へ送り出したのですが、ST600同様セッティングの幅が狭くなってしまい、本来のパフォーマンスを発揮できない状態になってしまいました。最終戦は2レースが行われるので、最後までチャンピオン獲得を狙い、そこへ向かってさらにセットアップを進めていいパフォーマンスを発揮できるようにしたいと思います。
 今回もたくさんの応援をいただき、ありがとうございました。残り1レースも全力で戦います。引き続き応援いただけますよう宜しくお願いします。

高橋巧選手

 決勝日の朝フリーでトライしたセッティングが良かったので予選とは異なるセットで決勝を走ったのですが、結果的にはコンディションからズレてしまいました。もっと攻めていきたいのですがマシン的にそれをするとコースの外に飛び出してしまうような状況で、最後まで攻め切ることができませんでした。非常にストレスの溜まるレースでしたが、気分をリフレッシュし、最終戦では二つ勝てるよう頑張ります。事前テストがないので、今年の2&4でのイメージを思い出し、予選では2分6秒台、決勝は2分7秒台から8秒代前半で走れるマシン作りをし、優勝を狙います。タイトルはそれができれば自ずと付いてくると思います。

小西良輝選手

 最高のマシン、最高のチームスタッフによって、生涯最後のレースを戦うことができて本当に幸せでした。昨年レースを引退し、もう走らないと思っていたので、最初に監督から代役として出場する依頼を受けたときには一度断りました。4戦4勝しているマシンですし、素晴らしいスポンサーにサポートしていただいて走るわけですし、自分に自信がなければ走ることなどできないと思ったからです。思うようなタイムを出すことができず、不本意なスターティンググリッドだったにもかかわらず、たくさんの取材陣やチーム関係者がそこを囲んでくれて、本当に素晴らしい環境でレースをしてくることができたんだと感謝の気持ちでいっぱいでした。マシンに関しては自分がイメージしていた以上の素晴らしい仕上がりで、その部分にも改めて高いチーム力を痛感しました。ライダーを成長させてくれるレーシングマシンですし、これに乗ってたくさんのライダーが大きく成長してもらいたいです。今回は本当に素晴らしいチャンスをいただき、ありがとうございました。次からはまた裏方としてチームをしっかりとサポートしていきます。

小林龍太選手

 金曜日のARTテストでのフィーリングがとてもよく、予選もその流れの中で走ることができたので久しぶりに気持ちよく攻めていくことができました。決勝も楽しみにしていたのですが、マシンと路面コンディションをしっかりと合わせきれず、厳しいレースになってしまいました。久しぶりのフロントローでしたし、鈴鹿ではもう一度、今回の予選までの流れを作り、そのまま決勝まで行けるようにしたいと思います。

浦本修充選手

 レースは1周目にコースを飛び出してしまい、そこから追い上げのレースになってしまいました。若手若手と言われますが、レースを走る限りそれは関係なく、常に優勝を目指して努力しなければならないわけで、若手といわれて納得されてしまうその壁を突き破る走りと結果を見せないといけないと思っています。次の鈴鹿は勝つ気で行きますし、言い訳せずにしっかりとレース結果を受け止められる内容にしたいと思います。

高橋巧選手

小西良輝選手

小林龍太選手

浦本修充選手