MUSASHI RT HARC-PRO

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レースレポート

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全日本ロードレース選手権 第6戦 in オートポリス

開催日
2011年9月10日(土)〜11日(日)
開催サーキット
オートポリスサーキット
天候
決勝 晴れ-路面状況ドライ
出場クラス
JSB1000/J-GP2
ライダー
高橋巧/中上貴晶
予選結果
高橋巧 3位/中上貴晶 1位
決勝結果
高橋巧 1位/中上貴晶 1位

レース結果

 これまでは1年に1回の開催だった九州・大分県オートポリスサーキットでの全日本選手権だが、今年は5月の2&4に続き、2回目の大会となった。前回はST600クラスのみが行われたこともあり、今回ST600クラスは開催されず。そのため、MUSASHI RTハルク・プロは、JSB1000クラスに高橋巧、J-GP2クラスに中上貴晶という二人が参戦することとなった。1週間前に行われた事前テストから二人のライダーは好調で、大きな期待を持ってチームはレースウイーク入りすることとなった。懸念された台風の接近もレースウイーク直前に進路が九州地方からそれ、結果的には金曜日からの三日間、ドライコンディションでスケジュールを消化することができた。

JSB1000

 ドライコンディションで行われた金曜日のART走行も順調にこなし、土曜日のノックダウン予選に臨んだ高橋巧。Q1は1分50秒506で2番手、Q2は1分50秒524で2番手、Q3は1分49秒699で3番手のタイムをマーク。この結果、フロントロー3番手からのスタートとなった。予選自体は3番手だが、49秒台を全8ラップ中5周にわたって記録しており、高いアベレージをマーク。決勝日朝に行われた15分間のウォームアップ走行ではトップタイムをマークし、右肩上がりの状態で決勝に臨むこととなった。
 決勝もドライ。26.2度という絶好のコンディションの中、レースはスタートが切られた。高橋はまずまずの飛び出しを見せ、2番手で1コーナーへ飛び込む。2周目、3番手の位置から前を走る加賀山就臣選手をダウンヒル先の右コーナーでパス。このあとクロスラインとなって接触し、加賀山選手はコースアウトして転倒。高橋もこのアクシデントで4位にポジションダウンしてしまう。しかしトップに追い付きたい高橋は仕切り直ししてここからもう一度ハードプッシュ。1分50秒前半のラップタイムに上げて3周目に2位に上がり、トップを走る秋吉耕佑選手を追いかける。一時は2秒6まで開いた差だったが、5周目あたりからコンマ3秒から5ほど高橋のペースが上回り始める。このため1周するごとに差が詰まり、11周目にはその差わずかコンマ3秒と秋吉選手の背後に大きく迫った。この日のスピードで上回る高橋は15周目の後半区間でぴたりと背後に付けると、16周目のメインストレートでスリップストリームに入り1コーナーで前に。一時51秒台に落ちていたラップタイムをここからもう一度50秒台へ入れ、秋吉選手を振り切ってコンマ5秒差でトップチェッカーとなった。

J-GP2

 今シーズンのここまでの3のレースをすべてポールtoウインで飾ってきている中上貴晶。来季は戦いの場をグランプリへ移すという目標を持ち、それが今シーズンの高いモチベーションの源となっている。そのために、グランプリが開催されているサーキットでは前年行われたMoto2クラスのレースタイムを、それ以外のサーキットでは、Moto2マシンに近いとされているGP250クラスのレースタイムを設定タイムとしている。今回のレースが行われるオートポリスのGP250クラスのコースレコードは1分53秒1で、これが今回のレースウイーク中のクリアすべき設定タイムとなった。  ドライで行われた予選では1分53秒311をマーク。設定タイムにコンマ2秒及ばなかったが、予選2位のライダーとは1秒281も差が付いており、今回も圧倒的速さを見せ付けることに成功していた。
 レースがスタート。集中していい飛び出しを見せた中上は1周目からスパートし、オープニングラップを終えて2位に1秒1の差を付けることに成功する。2周目に早くも53秒台へ入れると安定してこのペースでラップ。10周目には53秒5までタイムを上げる。さらにタイムを上げてGP250クラスのコースレコードをクリアし52秒台へ入れたい中上だったが、J-GP2クラスはこの日の最終レースということでスタート時間は16時。夕方で路面温度が下がってきたためタイムを出すには難しいコンディションとなってしまい、結果的にこの1分53秒5がレースのファステストとなった。2位グループが55秒台のため、1周するごとにその差は2秒離れ、16周のレースを終えるときにはその差が28秒という、通常のスプリントレースではなかなか見ることができない圧倒的ギャップを付けたレースとなった。

チームメンバーのコメント

本田重樹監督

 JSB1000クラスの高橋巧は前回のSUGOのレースで悔しい想いをしたことを受け、今回も序盤のペースが肝になるので最初の1、2周目はトップグループに離されないようなんとかそこを頑張るように。そこの踏ん張りがレース後半につながっていくからと言ってレースに送り出しました。実際にレースはそのとおりになり、巧のアベレージがライバルよりも速いということは分かっていたのでそれを生かし、得意なところで抜くことができて、そのリードを保ったままゴールできたというのはとてもいい形での勝利だったと思います。これで巧はレースの勝ち方とか、こうすれば勝てるということが分かっただろうし、自分の実力、全日本の中でのポジションということもしっかりと認識できたと思うのでこれを今後につなげて、最後までチャンピオン争いをしていきたいですね。先週のテストから決勝朝のフリー走行までとてもいい流れで走ることができていたので、とにかくそれを崩さないように注意し、マシンのセッティングも大きく振ったりせず、違うマシンを走らせたりということもせず、巧のいいリズムを維持できるよう細心の注意をチームとしては払っていました。それが勝因だと思います。
 J-GP2クラスの中上貴晶は3戦連続ポールtoウインということで、本人のモチベーションを保つ材料が少なくなってきて、チームとしては非常に難しい状況になっているというのが正直なところです。 でも本人は自分の成績におごることなく、前へ前へということを考えた結果、今までで最大の2位との差である28秒というギャップを作ることに成功しました。この28秒差というのは我々にとっても非常に嬉しいことだし、何よりも嬉しいことは中上が大きくリードしても緩めることなく、自分自身に課したテーマをクリアしようとチャレンジし続けてくれたことでした。この勝利は、今後の中上にとってとてもプラスになるものだと思います。本人も狙っていたし我々も実現したかったGP250クラスのコースレコードブレーク、さらに52秒台だったのですが、決勝は夕方になって路面温度も下がってきていたので難しいだろうなとレース前、本人には伝えてありました。だから走っている状況の中でベストを尽くすことを考えて1周1周をしっかりクリアしなさいとアドバイスしたのですが、それをしっかりと理解し、チャレンジしたからこその28秒差だと思います。今回もたくさんの応援をいただき、ありがとうございました。さらに努力していいレースをしていきますので引き続き応援、宜しくお願いいたします。

高橋巧選手

 序盤に加賀山さんと接触して秋吉さんに離されてしまったのですが、予選のように走ればどこかのタイミングで追い付くだろうと焦らず、自分のリズムで走ることを心がけました。そうして1周1周集中して走っていたら秋吉さんに追い付くことができて、どこかでチャンスがあるだろうと思っていたらうまくスリップストリームに入ることができて、ここがチャンスだと思い切って前に出ました。優勝は去年の開幕戦以来で、ずっと負けていたので本当に嬉しいです。でも最終目標はシリーズチャンピオン獲得なので気を引き締め、次のレースも勝てるように頑張ります。

中上貴晶選手

 1周でも1分52秒台へ入れて、あとのラップは53秒前半で周回というレースをしたかったのですそれができなかったのは悔しいですが、今年のここまでのレースから比べると、今日の決勝は全体的なアベレージが高かったので満足度は高いです。実際には1分53秒真ん中から後半というラップタイムで、走りながら自分のできる範囲の中でいろいろ工夫してトライしてみたのですが、そこからさらにタイムを上げることはできませんでした。僕は早くGPに戻らないといけないと認識しているし、チームからこれでOKというサインがレース中も出なくて、全員がサインエリアで行け行けと後押ししてくれていたのでとても心強く、さらにハードプッシュしようという気持ちで走り続けることができました。

JSB1000 高橋巧選手

高橋選手は今期初優勝!!

J-GP2 中上貴晶選手

4戦連続のポールtoウィン