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レースレポート

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全日本ロードレース選手権 第4戦 in もてぎ

開催日
2011年8月6日(土)〜7日(日)
開催サーキット
ツインリンクもてぎ
天候
決勝 晴れ-路面状況ドライ
出場クラス
J-GP2
ライダー
中上貴晶
予選結果
1位
決勝結果
1位

レース結果

 鈴鹿8耐を終えて1週間後、チームにとって非常に慌ただしく準備を行わなければならない8月最初の週末というタイミングに、全日本第4戦ツインリンクもてぎ2&4レースが開催された。今回のレースはJ-GP2クラスのみが開催され、MuSASHi RTハルク・プロからはレギュラーライダーである中上貴晶が参戦した。チームは鈴鹿8耐と平行してこのレースに向けた準備を行い、J-GP2担当メカニックを中心にレースウイーク入りしたのだった。 ちょうど1ヶ月前にここツインリンクもてぎでの全日本第3戦では中上貴晶が独走で優勝を飾っているが、中上本人、そしてチームが目指しているのは、10月2日にこのサーキットで行われるMotoGPのMoto2クラスでの活躍だ。昨年のMotoGP・Moto2クラスで記録されたファステストラップはフリアン・シモンチェリ選手が記録した1分53秒008。来年、Moto2クラスへの参戦を狙う中上にとって、レギュレーションによるマシン差があるとは言え、同じ600ccエンジンで走るからにはMoto2の最速タイムを視野に入れるレベルの走りをしたいのだ。 金曜日の走行から、チームは1分53秒台をターゲットタイムにしてセットアップを進めていった。しかしこの日、中上が記録したベストタイムは1分54秒426。1ヶ月前に中上自身が記録したコースレコードを上回る速さではあったが、チームの誰も満足できるタイムではなかった。

 期待された土曜日の予選は朝から好天に恵まれた。そのために路面温度は前日の33度から53度に20度も上がってしまい、タイヤには非常に厳しい状況となってしまった。なんとかタイムを出そうとアタックする中上だったが、この高い路面温度ではタイムを出す理想的コンディションから程遠く、1分54秒717でそれでもトップタイムは維持したが、狙っている53秒台には届かなかった。
 今回は四輪レースとの併催という2&4スタイル。こうしたレース形式の場合、四輪が路面に残すラバーなどの影響が二輪にとってタイムを下げる要因になるのだが、今回はそれ以前に灼熱という大きな問題が立ちはだかったため、路面表面のグリップに関してライダーから大きな問題の指摘はなかった。

 決勝日も快晴で、朝のフリー走行は1分54秒956でトップタイム。それでもこの走行終了後、中上はレーシングスーツを脱がずにそのままチームスタッフ全員で1時間を越えるミーティングを重ね、53秒台へ入るアプローチを模索し続けた。 いよいよ決勝がスタート。3番手で1コーナーに入った中上は2コーナー立ち上がりで2位まで上がり、さらに3コーナー入り口ではトップに。暑さの中、タイムを上げるには厳しいコンディションであったが、中上はライダーとしてできる限りのチャレンジを行い、序盤は1分55秒中盤から前半にペースを上げていく。序盤は2位のライダーも55秒中盤で付いてきていたが、このペースに付いてくることができず、4周目あたりから徐々に離れていく。
 中盤以降は55秒前半でラップし、ラスト2周は54秒に入り、終わってみれば2位に10秒の差をつけての独走で2連勝。高温の厳しいコンディションの中でもライダー、マシンのポテンシャルの高さを見せ付ける全日本第4戦もてぎ2&4レースとなった。

チームメンバーのコメント

本田重樹監督

 全日本第3戦もてぎ大会のデータをベースに、それを上回るレースをしようと準備してきました。今回はJ-GP2初となる2&4レースということで、どの程度四輪の影響があるか懸念していましたが、やはり相当なものがあったようです。マシンのセッティングを大きく振っても、我々の狙ったような症状改善を果たすことができず、かなり悩まされてしまいました。四輪のタイヤラバーという不確定要素は想像以上に大きかったようです。レースは路面温度が58度と、我々がこれまで経験したことのないようなコンディションになってしまい、四輪のタイヤラバー、さらに高温という両方の影響を受けてしまって厳しいレースになってしまいました。ですがその中でも、第3戦の決勝のアベレージが1分55秒8に対し、今回は1分55秒3とコンマ5秒上げて決勝を走りきることができたのは、我々が進めているアプローチに対して明確な指針となるものでした。Moto2は54秒3が決勝のアベレージなので、現時点では約1秒落ちでのレースとなっています。暑さというコンディションを差し引けば、その差は近付いてきているのではないかと考えています。今後はさらにこの方向でマシンを開発し、ライダーのスキルも上げ、さらにMotoGPのMoto2クラスに近付くレースをしたいと思います。今後にますます期待が持てる、とても意義のあるレースになりました。応援、ありがとうございました。次回も頑張ります。

中上貴晶選手

 レースウイークを通じてとても高い気温となり、さらに決勝はこのウイークいちばんの暑さとなったことから、本当に厳しいレースとなってしまいました。スタート前にチームから1周も55秒台に落とさず全ラップ54秒台で行けと言われてコースインしていたので、前半の55秒前半のペースではピットに戻れないと少し焦りました。ですが、後半にタイヤが厳しくなるのはわかっていたので序盤は抑え目にし、終盤に54秒台へ入れることができたのはタイヤのマネージメントという点においてはうまくできたのではないかと思います。終盤はタイヤのスライドも大きくなり、タイムを上げていくには厳しい状況ではありましたが、それでも攻めてタイムを上げられたのは自分の強い気持ちがいちばん大きかったと思いますし、それが実際にできたのは大きな自信になりました。10月のMotoGPではいいレースができるようさらに努力を続けます。

決勝がスタート

中上貴晶選手

J-GP2クラス2連勝!