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レースレポート

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全日本ロードレース選手権 第2戦 in オートポリス

開催日
2011年6月4日(土)〜5日(日)
開催サーキット
オートポリスサーキット
天候
決勝 (R1)晴れ-路面状況ドライ、(R2)曇り-路面状況ウェット
出場クラス
ST600
ライダー
小林龍太・浦本修充
予選結果
(R1)小林龍太 7位・浦本修充 23位、(R2)小林龍太 15位・浦本修充 18位
決勝結果
(R1)小林龍太 5位・浦本修充 10位、(R2)小林龍太 リタイヤ・浦本修充 4位

レース結果

 開幕戦の鈴鹿から3週間。梅雨時期の6月4日・5日に大分県オートポリスサーキットで全日本第2戦オートポリス2&4大会が行われた。通常であれば2&4は全日本のトップカテゴリーであるJSB1000クラスで行われるのだが、今回はST600クラスでの開催となった。さらに予選システムもこのクラス初採用となるノックダウン方式、レースは土曜と日曜それぞれに1レースずつ、ひとつのレースウイークにレースを2回行うという多くのエントラントが初経験となるスタイルで行われた。
 今シーズン、MuSASHi RT ハルク・プロはこのST600クラスを、昨年から継続参戦の小林龍太に加え、J-GP3クラスからステップアップとなる若干16歳ライダー浦本修充の2台体制で戦う。小林は既にこのクラスのトップライダーとして活躍する実力派だが、浦本は1年目となることから大きな成長が期待されている。テストをこなすごとに速さを増しており、今回デビューレースながら、1回のレースウイークで2レース戦うことが出来るため、経験を多く積みたい浦本にとっては絶好のチャンスとなる。その反面、限られた時間の中で早くタイムを出さないと次のセッションに進めないノックダウン方式は少々手ごわいものになりそうだ。

 梅雨時ではあったが、木曜、金曜、土曜と好天気に恵まれ、ドライコンディションでスケジュールを消化することが出来た。土曜の予選1回目は40分間の走行時間となる。この予選を限られたタイヤ本数でクリアしなければならないことから、この走行と2回目を同じタイヤで走行し、フレッシュタイヤで最終セッションに臨む作戦を採った。このため、最初のセッション40分の走行をフルに走らずタイヤを温存しつつ、限られた時間の中で早めにタイムを出す必要がライダーに求められた。小林は順調にタイムを伸ばし7番手で第2セッションに進出したが、慣れないST600マシンでやや出遅れてしまった浦本はタイムが伸びず、23番手で終了。第1セッションの結果が第1レースのグリッドになることから、浦本にとっては厳しいグリッドになってしまった。続く第2セッションは15分。リズムが出てきた中でタイムを伸ばしたかったが、周囲はここでフレッシュタイヤを導入。その中でタイムを伸ばしきれず、小林15番手、浦本18番手で終了となり、第3セッションに進出することは出来なかった。

 土曜日の午後に行われた第1レースはドライコンディション。スタートでうまく飛び出した小林は1コーナーに2番手で飛び込む。浦本も絶妙なスタートダッシュを決め、14位までジャンプアップする。積極的に攻める小林は2周目にトップに出てレースを引っ張る。浦本もペースを上げ、2周目13位、3周目12位と着実に順位を上げていく。4周目に2位となった小林。しかし8周目あたりからややペースが落ち始め、5位まで順位を落としてしまう。一方の浦本は8周目に10位に浮上。トップグループと遜色のないラップタイムで走行し、自己の記録した予選タイムを決勝で上回るハイペースで周回を重ねる。一度タイムを落とした小林だったが、終盤になって再びタイムを上げ、5位でチェッカー。浦本は10位でゴールとなった。
 土曜深夜から雨が降り出してしまい、日曜日は朝のウォームアップ走行がフルウエット。まだST600マシンに乗り始めた浦本にとって、ウエット走行はツインリンクもてぎでのテストで少し経験しただけだったが、チームサイドの豊富なデータによって設定されたマシンは乗りやすく、このセッションを13番手で走行。小林もいくつか確認作業をしながら7番手。決勝への期待が高まった。雨は止んだが路面はフルウエット。空は明るくなっていることからレース終盤には乾いてくるだろうが、どれくらいドライになるか判断しにくい中、全車ウエットタイヤを装着してレースはスタートとなった。
 まずまずの飛び出しを見せた小林は1周目を5番手で走行。浦本はまたしてもスタートダッシュを決め、1周目を9位でメインスタンド前に戻ってくる。今ひとつペースの上がらない小林はそれでも懸命に前車に付いていこうと意欲的な走りを見せる。しかしこの走りが裏目に出てしまい、3周目に転倒。再スタートしたが、脳震盪を起こしていることもあってピットインしてリタイヤする。一方の浦本は初のウエットレースとは感じさせない堂々の走りを全日本トップランカーと展開。4周目に6位に上がり、さらにペースアップ。14周目には4位と表彰台が見える位置まで上がってきた。3位を走るマシンの背後に大きく迫ったが、ついに前に出るまでには至らず、それでも4位という好ポジションでチェッカーとなった。

チームメンバーのコメント

本田重樹監督

 今回はST600で2&4という初めての形でのレースとなり、しかも一つのレースウイークの中でレース1、レース2と二つのレースが行われるという、ライダーのモチベーションなどが非常に大事な難しいレースとなりました。しかもレース1がドライ、レース2はウエットとコンディションも異なってしまい、この点においても本当に難しいレースでした。そんな中、小林龍太はレース1で本人の持っている実力を十分に発揮し、戦うことが出来たと思っています。ポジション的にはもう少し上がってほしかったというのが本音ですが、実力を発揮するという点では十分に見せてくれました。レース2に関しては、ライダーの特性とマシンの特性をうまくマッチングさせることが出来ず、結果的に転倒してしまったのは残念でした。浦本修充は第1レースで初のST600レースに関わらず、順調にポジションを上げていって10位でフィニッシュできたことは大きな評価です。レース2は雨となり、走りなれているライダーでも手こずる中、自分のライディングをしっかりと最後まで貫き通して表彰台まであと一歩となる4位でフィニッシュしたことは、デビュー2レース目としては上出来で、褒めてあげたいと思います。今回の経験を基に、さらにレベルアップできるように我々も万全のバックアップをしていくつもりですし、本人にはなお一層頑張ってもらって早くこのクラスのトップライダーに成長してもらいたいと思います。今回もたくさんの方から応援をいただき、ありがとうございました。次回も頑張りますので引き続き応援、宜しくお願いします。

小林龍太選手

 予選、決勝とマシンの手応えを感じつつ、まだ納得できるレベルには至っていなかったのですが、第1レースの後半、走り方を変えたところいいフィーリングを得ることが出来て、これは今後のレースに生かせる大きな収穫となりました。期待を持って翌日の第2レースに臨もうとしたのですがウエットになってしまい、セッティングが自分のイメージと少し異なる部分が出てしまい、自分のリズムで走ることが出来なくなってしまいました。それが結果的に転倒につながってしまったのは残念です。ですが、このレースウイーク中に得られたものは非常に大きなものだったので、これを今後のレースにしっかりと生かしたいと思います。応援、ありがとうございました。

浦本修充選手

 限られた時間の中でタイムを出さなくてはならないノックダウン方式の予選は初めてだったので戸惑ってしまい、スタート位置が後ろの方だったのが決勝で最後まで大きく響いてしまいました。第1レース、第2レースともにペース自体はトップグループと変わらないものでしたが、やはりスタート位置の悪さからそこで大きく差が付いてしまい、最後までそれが挽回できなかったので、今後は予選で前の方に付けられるようにしていきたいと思います。初のST600クラスのレースということで、サーキット入りする前は不安と期待で複雑な気持ちでしたが、トップランカーの先輩方と同じペースで決勝を走ることが出来たのでとても自信になりましたし、自分に足りない部分も確認できたので、今後はその部分をしっかり学んでいきたいと思います。素晴らしいマシンに素晴らしいスタッフに支えていただいてレースを戦うことが出来るので、本当に不安なくレースを戦うことが出来ました。皆さん、ありがとうございました。次戦も精一杯頑張りますので応援、宜しくお願いします。

小林龍太選手

浦本修充選手