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レースレポート

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全日本ロードレース選手権 第2戦 in 鈴鹿

開催日
2010年4月17日(土)〜18日(日)
開催サーキット
鈴鹿サーキット
天候
決勝 薄曇 気温:18度 路面状況:ドライ
出場クラス
JSB1000/J-GP2
ライダー
高橋巧/小西良輝
予選結果
高橋巧3位/小西良輝1位
決勝結果
高橋巧2位/小西良輝1位

レース結果

JSB1000/J-GP2クラス

 開幕戦終了の2日後には鈴鹿でテストが行われ、これにJSB1000クラスの高橋巧、 J-GP2クラスの小西良輝が参加。開幕戦で得たデータを基に、 より高いレベルで戦えるようテストを行った。 高橋は開幕戦のレースウイーク中の転倒で古傷を痛め、 レース終了後には腫れと痛みに悩まされることになってしまっていた。 このため、鈴鹿のテストはマシンのフィーリングと鈴鹿のライディングのリズムを 取ることにチームは集中。若い高橋の成長をサポートすることとした。 小西はマシンを仕上げるべく、積極的に周回を重ねタイムを詰めていった。
 レースウイークスタートとなる4月16日金曜日は4月中旬という時期ながら、 10度を下回る寒さで、さらには午前中の走行のラスト10分に雨が降ってきてしまい、 午後のセッションはフルウエットになってしまった。 今後のデータ取りもあることから、午前、午後ともにチームの2台のマシンは走行。 午後のウエットでは小西がトップタイムをマークするマシンバランスの高さを見せた。
 明けて土曜の予選日は朝から綺麗に晴れ上がる。気温は14度とそれほど上がらず、 コースレコードを狙うような状況ではないが、安定してドライでの走行は行える。 今回の予選システムは定められた時間の中でタイムを出し、 上位のライダーのみが次のセッションに進めるというノックアウト方式が採られた。 高橋、小西ともに最初のセッションから順調に走行し、2人とも最終予選まで進出。 特に小西は600ccというハンディがありながら、最後の12名の枠の中に入り、 最終的には11番手のスターティンググリッドを獲得した。 高橋は2分9秒355でフロントロー3番手。最終セッションでは9秒355のタイムを 大きく上回るスピードで走行。8秒台が見えかけたラップだったが、 勢いあまって転倒。ライダーに怪我はなく、決勝での更なるタイムアップに期待がかかった。
 決勝日朝のウォームアップ走行はドライながら気温は上がらないことから全体的にタイムは 伸び悩む中、高橋が2分10秒252で4番手、小西は2分15秒265で15番手と、 それぞれがまずまずの位置に付けた。
 18度まで気温が上がり、決勝がスタート。 高橋、小西ともにまずまずの飛び出しを見せる。高橋は3番手で1コーナーに入ると、 ペースを上げながら逃げる前の2台に付いていき、1周目を終えた時点で4位との差が1秒4となる。 小西はオープニングを13位で戻ってくる。 トップグループのタイムは2分8秒台と、9秒台が自己ベストの高橋にとって厳しくなるかに思えたが、 難なく8秒台でラップ。さらには4周目、2分8秒298と7秒台目前となるタイムを高橋はマーク。 トップグループは高橋を含む3台で構成される。2位のライダーがトップに出て順位が動く中、 高橋もチャンスを見つけ、2位に上がり、さらにラストラップのダンロップコーナーのインに飛び込み、 一瞬トップに立つ。しかしトップを走る中須賀克行選手もアグレッシブな走りで立ち上がりをクロスラインとし、 前に。しかし高橋は諦めず、スプーンコーナー1個目から2個目への間で中須賀選手のイン側に飛び込み、 もう一度トップに立つ。そのままシケイン入り口までトップで来た高橋だったが、 飛び込みでインを秋吉耕佑選手に突かれ、 ゴールラインまでの加速でトライしたが1000分の74秒届かず2位。 レース中のファステストラップ2分8秒298は高橋が4周目に記録したものとなった。 また小西選手はJSB1000のマシンにラインをふさがれ、 後ろからは同じクラスを戦う山口辰也選手にパッシングされるなど厳しいレースとなったが、 終盤に再びペースを上げ、クラストップ、総合14位でチェッカーとなり、 J-GP2で2連勝を飾ることとなった。

チームメンバーのコメント

本田重樹監督

 高橋巧は前回の優勝から今回のレースに向けて、 JSB1000クラスにおける自分のポジションなどを確認しながら、 やるべき仕事を明確にして鈴鹿入りしました。 その中に予選終了時までに出しておくべきラップタイムというものがあったのですが、 金曜日は午後の走行がウエットになってしまったり、 土曜日の最終予選で転倒してしまったりしたことから、 目標タイムに届かず、それが結局は最後まで響いてしまいました。 そうしたレースウイークの流れではあったのですが、 レースは最終ラップのチェッカーまでトップ争いを展開し、 終盤の勝負どころでは前に出るトライをし、それを実現した点は非常に評価できますし、 バックアップしている我々としても非常にレースを楽しむことが出来ました。 結果としては先輩ライダーにやられてしまったわけですが、 この経験は今後のレースに生かされるでしょうし、 一皮向けたライダーに成長する大きなきっかけにもなったと思います。 今後のレースがより楽しみになりました。
 小西良輝については、JSB1000との混走ということで、 前をふさがれることは分かっていましたが、 その部分で苦戦を強いられることになってしまいました。 単独で走ることができれば決勝中のアベレージより1秒は速く走れたのですが、 それが出来ませんでした。そのあたりが小西にとっても課題になりますし、 マシンにとっても本来持っているスピードを生かせるように仕上げられれば、 よりレベルの高い結果が得られるようになるはずです。 それでもJSB1000との混走で総合14位という結果は、小西にとって自信になるし、 我々としてもさらに頑張ろうという力が湧いてきました。 今回もたくさんの応援をいただき、とても大きな力になりました。ありがとうございました。 次戦も頑張りますので応援、宜しくお願いいたします。

高橋巧選手

 予選で秋吉さんが記録していた2分7秒台というタイムはまだまだ自分としては 出せていないレベルのものなので、そのタイムで決勝を走られてしまうと厳しいと 思っていたのですが、コンディションなどの関係もあり、 実際には2分8秒台でのレースとなったので、トップ争いに加わることが出来ました。 自分は2分9秒台が自己ベストだったのですが、8秒台は十分に見えていたので、 決勝中のペースに関しては落ち着いて走ることが出来ました。 スタートが得意ではないのですが、3番手で1コーナーを立ち上がれたのも大きなポイントでした。 前に出られたらチャレンジしてみようと思っていて、 終盤にそのチャンスが来たので前に出てみたのですが、 マシンの仕上げの部分で、シケインの飛び込みなどは甘かったので、 このあたりが次への課題になります。優勝、2位といいスタートを切ることが出来ましたが、 次のオートポリスは去年走っていないので、 しっかりテストをして第3戦でもいい結果を出したいと思います。応援、ありがとうございました。

小西良輝選手

 予選を終えてから決勝までの間に、 いろいろとレースシミュレーションをしていたのですが、 直線では馬力の違いからJSB1000のマシンに抜かれ、 コーナーでは前をふさがれてしまうのでどうしようかと考えていたのですが、 決勝では正にその展開になり、その先の勝負をイメージしていなかったことから、 非常に苦戦することとなってしまいました。 やはりレースは自分の中に熱いものを抱きながらファイトする部分も必要で、 今回は冷静に分析した上でその熱くファイトする部分を上乗せせず決勝を走ってしまったことから、 分かっていた苦戦をすることになってしまいました。 次のレースではそうした予想できる状況の中でどう勝負していくのか、 そのことにトライできる走り、マシン作りをして戦っていきたいと思います。 チームの頑張りによって、結果的に開幕戦に続き2連勝を上げることが出来たのは良かったです。 次回以降はよりレベルの高い走りをお見せしますので引き続き応援、宜しくお願いいたします。

高橋巧選手

2戦連続表彰台の高橋選手

小西良輝選手

2戦連続優勝の小西選手