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レースレポート

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全日本ロードレース選手権 第5戦 in ツインリンクもてぎ

開催日
2014年8月23日(土)〜24日(日)
開催サーキット
ツインリンクもてぎ
天候(決勝)
 
出場クラス
J-GP2
ライダー
亀谷長純/浦本修充
予選結果
亀谷長純:11位 /浦本修充:4位 
決勝結果
亀谷長純:8位 /浦本修充:2位

レース結果

二輪に加え、四輪のモータースポーツファンにもサーキットへ足を運んでもらい、レースを盛り上げようという目的で行われている2&4レース。今回は全日本J-GP2クラスのみが二輪のレースとして開催されることとなった。
今回のレースにMuSASHi RTハルク・プロから、亀谷長純と浦本修充というJ-GP2クラスのレギュラーメンバーで参戦した。

J-GP2

2&4スタイルのレースの場合、四輪はフォーミュラクラスが開催される。フォーミュラカーはサーキットを速く走る目的で造られた四輪社で、コーナーではウイングで車体を路面に強く押し付け、タイヤを路面に押し付けてラップタイムを削り取っていく。しかし二輪にとって、フォーミュラカーによってサーキットのアスファルトの表面に付けられたゴムは非常に滑りやすく、二輪が走行しながら路面のゴムを取り去っていくことになる。
そのために2&4スタイルのレースウイークは、四輪が走行して路面にラバーを擦りつけ、二輪が走行してそのラバーを取り去る、という作業が繰り返されることになる。そうしたことから二輪、四輪共に走行時間途中までは思うようなタイムが出せず、セッション終盤になってやっと適した路面コンディションになり、そこでタイムを上げていくことになる。
今回のレースウイークも金曜日のART合同テストからこの状態となり、さらには連日、30度近くまで気温が上がった暑さもあり、5月中旬にここツインリンクもてぎで開催された全日本第3戦時のタイムにだれもが届かず、非常に苦しい三日間となった。
そんな中でも浦本は好調を維持しており、金曜日のART合同テストでは1分54秒412で2番手に付けた。対して亀谷は今季から乗り始めたNH6のセットアップに苦しみ、このセッションは13番手で終えた。
土曜日は午前中にスーパーフォーミュラ、F3それぞれの走行が行われ、その後、アジア各国のライダーによる国別対抗の二輪の予選が行われ、その後にJ-GP2クラスの予選が行われた。やはりフォーミュラカーによる路面へのラバーは厚く付けられており、予選が始まってもなかなかタイムを上げることができない。上位陣がタイムを詰め出したのはラスト10分となったあたりで、やっとここまで走り続けて路面コンディションが良くなってきた。
浦本もタイムを削っていき、ラスト2周のタイミングで1分53秒994で4番手となった。亀谷もラストラップに1分55秒331を出し、予選11番手に付けた。
この土曜日は最後に二輪のアジア国別対抗戦という10周のレースが行われて終了。さらに決勝日の朝、このアジア国別対抗戦の第2レースへ向けたフリー走行があり、その後にJ-GP2クラスのフリー走行が行われたことから、路面のコンディションは非常に良好となった。
 そのために浦本は本来のリズムで走ることができ、1分54秒120をマークしてトップタイムとなった。
その後、スーパーフォーミュラのフリー走行、20周のF3レースが行われ、J-GP2クラスの決勝となった。
レースがスタート。浦本はやや出遅れてしまい、1周目を5位でクリアする。亀谷はまずまずのスタートを切り、オープニングラップは11位。浦本は2周目に3位に、さらに4周目に2位に上がり、トップで逃げる高橋裕紀選手を追いかける体勢に入る。
しかしオープニングラップだけでトップ高橋選手と浦本の差は2秒にもなっており、そこからほぼ同じ1分55秒中盤でラップしていることから、差が大きく広がってしまっている。4秒ほど広がった差だったが、高橋選手が11周目に大きくマシンが振られ、2秒ほどロスしたことからその差が縮まった。さらにこれを見た浦本は勝負所とペースを上げ、高橋選手を追走する。1分56秒台でラップする高橋選手に対し、浦本は終盤に連続54秒台をマーク。最終ラップでやっとその背中に追い付き、レースのファステストラップを記録しながら迫ったが抜ききれず、0.221秒差で2位となった。また亀谷は4位争いの集団の中に入り、上位進出のタイミングを図っていたが、徐々にここから離されてしまい、単独で8位フィニッシュとなった。

チームメンバーのコメント

本田重樹監督

「決勝前、浦本にアドバイスしたのは『F3のレースが直前にあって路面にはタイヤのラバーが付いているから、それに気を付けて序盤はトップに離されないようにすること。レース後半になったら自分たちの使っているタイヤのパフォーマンスがフルに発揮できるようになるだろうから、きちんとグリップが出たことを確認したら前に出るように』というものでした。実際に浦本はそのアドバイス通りに実行したのですが、唯一の誤算はスタートで大きく出遅れてしまったこと。ここだけでトップから2秒も離されてしまいました。結果的に追い付くことはできたのだけれど、前に出るまでには至らず、レースは負けてしまいました。それがとても残念です。ですが、マシンと浦本のコンビネーションでのパフォーマンスの高さはレース中の走りで証明できたので、次回の岡山では巻き返し、勝利を目指したいと思います。亀谷は色々トライしている中で、なかなか結果を出せずに苦戦を強いられていますが、今回のレースウイークでトライしたことがマシンのパフォーマンスを引き出すことにつながっています。1シーズンかかってしまうかもしれませんが、このまましっかりとマシンを仕上げ、浦本の後ろに迫るくらいのレベルには到達したいと考えています。亀谷自身にも、それを実現するための頑張りを期待します。」

堀尾勇治チーフメカニック

「ライバルがどうやってアドバンテージを作り、レースで勝ちを収めるか戦略を立て、それを実行したのに対し、我々はそれを超えるところまで至れませんでした。浦本のスタート失敗がすべてで、本人もそれを挽回すべく頑張ったのですが追い付きませんでした。自分たちの持っている強みをレースでしっかり出すためにはまずミスをしないことが大前提で、そうしたレースができるよう、手前からしっかりと組み立てていきたいと思います。亀谷は今年初めて出来上がったマシンに乗っていて、すべてのコースが初走行、という状態でした。ですがここまでもてぎ、SUGO、オートポリス、そして再びもてぎと一巡したことで、同じマシンを使っている他のチームと抱える課題が同じだといういうこともあり、だいぶ問題点が明確になってきました。今回のレースウイークもそれを解消すべく色々とトライしたのですが、なかなか課題をクリアできずにいます。さらに様々なトライを行い、セットアップを詰めていきたいと考えています。」

亀谷長純選手 J-GP2

「バイクは少しずつ良くなっているのですが、それでもまだポテンシャルがトップ争いに加われるレベルには達していなくて、そこでもがいている状態です。自分の走りもなかなか思うように出来ないので、ちょっとフラストレーションも溜まっています。決勝では3位集団から4位集団に加わることが出来ていたので、あのまま最後までその中でレースがしたかったのですが、ちょっと選んだタイヤが厳しくなってしまい、後半になってペースを維持することが出来ませんでした、そこは自分のミスです。さらに色々トライを続け、マシンをしっかりと仕上げたいと思います。」

浦本修充選手 J-GP2

「スタートがすべてでした。ミスして離されてしまい、追い上げのレースになってしまいました。コース上にラバーがあるのは本田監督にレース前、アドバイスを受けて理解していましたし、状態はしっかりと確認できました。路面の状態は本田監督が言っていたとおりで、中盤から後半になるにつれてグリップが良くなり、トップを走る高橋選手は何度も後ろを見ていたのでかなり厳しいんだろうなと思い、プッシュし続けたのですがもう少しというところでチェッカーになってしまいました。次はミスなく、しっかりと自分のレースをしたいと思います。」

 

2位表彰台獲得の浦本選手

 

走行前後に長いミーティングを繰り返し、新しいマシンを着実に仕上げる亀谷選手

 

スタート直後の1コーナー進入

 

トップ#72高橋選手に追い付いた#634浦本選手だったが・・・